米国では住民が不在だった場合、宅配便や小包を玄関口や軒下に置いていくことが少なくない。受取人のサインが必要だったとしてもポイと置いていかれることもある。当然、それを狙う不届き者もいるわけだ。
かつては日本でも宅配物を玄関口においていく光景が見られたが、もはや宅配ボックスなどを使わない限り都市部ではあり得ないだろう。「米国はおおらかなのだな」と感心しなくもないが、Amazonを筆頭としたネットショッピング全盛の現在、やはり放置荷物が盗まれるケースが多発している。米ニュージャージー州の警察が、これまたビックリな対策に打って出た。それは一体?
ニュージャージー州ジャージーシティは、ニューヨークからハドソン川を渡ったところに位置する。立地の良さから「ニューヨーク第6区」と称されることもある都市だ。高層ビルが立ち並ぶ商業地区とダイバーシティに富んだ住民が多く暮らす住居区が共存し、港湾都市ということもあってやや治安に不安も残る。
ジャージーシティ警察が荷物泥棒を捕まえるためにAmazonと協力して進めるプロジェクトが物議を醸している。幾つかの家庭にドアベルカメラを設置し、玄関前の状況を常時録画することにしたのだ。
これだけならまだ分かる。警察はさらに一歩踏み込んだ。Amazonの協力を得て、Amazon柄がプリントされた段ボールをわざと玄関先に置いた。その中には追跡用のGPSが仕込まれている。いわゆるおとり捜査だ。
ジャージーシティ警察が持つ犯罪データとAmazonが把握する荷物の盗難レポートを基に、特に被害が多いところでテストが実施された。すると何と荷物設置からわずか3分で持ち去られてしまう。当然のころながらカメラ映像とGPSによって犯人はすぐに逮捕された。
既に地方検察による審査も終わり合法的に実行されることが承認された。それどころか捜査範囲の拡大が望まれているという。AP通信によれば、同様の捜査がニューメキシコ州、カリフォルニア州、オレゴン州でも実施されている。
被害件数は明らかではないが、Amazonは荷物の持ち去りにそうとう頭を悩ましている。そのため積極的に各地の警察と協力体制を構築している。もう一つの大きな問題となっている配送ドライバーによる窃盗についても解決の糸口を見いだそうとしているそうだ。
配送した荷物を放置しなければ解決するような気もしなくはない。だが、これも米国の文化なのだ。少しでも持ち去り犯罪が減ることに期待したい。
上司X: 米ジャージーシティでAmazon箱を使ったおとり捜査が実行されているという話だよ。
ブラックピット: Amazon箱だけじゃないですよね。カメラにGPSと、えげつない捜査だと思いますよ。
上司X: 泥棒なんだから当然の措置だろう。これぞ米国流の正義の鉄槌というところだ。昔は日本でも荷物を玄関脇とかに置いてもらってたけどな。
ブラックピット: それってすごく昔の話か、田舎限定なんじゃないですか? 僕はそんな経験ないなあ。
上司X: そうか……。確かに地方出身の昭和生まれだが、日本にもそういう牧歌的な時代があったってことでさ。
ブラックピット: 今みたいに通販当たり前の時代じゃなかったでしょうから。
上司X: キミだって注文したものが途中で奪われたらイヤだろう? 国土交通省によれば日本国内における2017年の宅配便取り扱個数は40億1900万個だというからね。
ブラックピット: 米国だともっと多いんでしょうねえ。映画でみる限り新聞も「庭にポーン」みたいな感じですよね。盗まれる以前にそれを何とかしましょうよ。
上司X: 米国だと物量的に不在で持ち帰って再配達なんて悠長なことをしていられないんじゃないかな。日本でも問題になっているけど、それでも再配達してくれるからなあ。キミもね、業者の二度手間三度手間を避けるために、受け取り日時は必ず守るようにしような?
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
年齢:46歳
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中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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