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ワークフローツールの導入状況(2019年)/前編IT担当者300人に聞きました(1/2 ページ)

利用企業は一定数あるものの、不満も多いワークフローツール。心を無にして「入力マシン」に――業務ごとに乱立した結果、何度も同じデータを入力するムダに耐える現場の声も聞こえてきた。

» 2019年02月07日 08時00分 公開
[キーマンズネット]

 キーマンズネットは2018年12月20日〜2019年1月17日にわたり「ワークフローツールの導入状況」に関する調査を実施した。全回答者数305人のうち、情報システム部門が46.2%、製造・生産部門が13.4%、経営者・経営企画部門が5.3%、営業・販売部門が5.2%といった内訳であった。

 今回はワークフローツールの「導入率」や「導入目的」「重視ポイント」に「満足度」などの質問からツールの導入状況を紹介する。

 全体で71.1%と大企業を中心に導入が進む一方で約3割がリプレースを検討しているなど、ツール利用者の中では一定の不満が噴出していることなどが分かった。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。

導入率は71.1%、ただし統一はできていない

 調査ではまずワークフローツールの導入状況を聞いた。導入率は追加やリプレース検討も含むと71.1%。導入中とした回答は26.2%、「必要性を感じない」とした回答は4.3%だった。規模別に見ると従業員規模が大きい企業ほど導入率や検討割合が高い傾向にあり、特に導入率は1001人以上の大企業で88.4%だったのに比べて100人以下の中小企業では45.3%と大きな開きがあることが分かる。

 企業で取り扱われる書類は、受発注などの取引に関わるものから帳簿類、契約書や社内承認プロセスの証左に関わるものなど、その種類は多岐にわたる。ワークフローツールの導入率は7割を超えたが、企業内の業務のうち、どの程度をカバーできているのだろうか。書類を社内で申請・回覧する場合、多くの企業ではどのように運用しているのだろうか。

 調査では「導入済みのワークフローツールで申請する」が72.5%、続いて「Excelなどのツールで書類を作成した後、紙に印刷して申請する」が55.4%、「所定の用紙に手書きで記入し、申請している」が35.4%、「Excelなどのツールで書類を作成した後、メールなど(ワークフローを除く)で申請する」が30.8%となった(図1、複数回答)。導入率と同程度の回答者がワークフローツールを利用するとした一方で、Excel帳票や印刷物による手続きも5割を超えており、ワークフローツールのみに集約し切れない業務が残っており複数の手法を目的ごとに併用する状況が明らかになった。

図1 社内書類の申請および回覧方法

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