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タブレットの導入状況(2019年)/後編IT担当者300人に聞きました(1/3 ページ)

導入が進む業務用タブレットだが、社外でも安全に利用するためのセキュリティ対策と利便性のバランスに悩むケースも多い。企業ではどのような対策を講じているのか。また、実際にトラブルは発生しているのか。

» 2019年03月28日 08時00分 公開
[キーマンズネット]

 キーマンズネットは2019年2月18日〜3月6日にわたり、「タブレットの導入状況」に関するアンケートを実施した。全回答者数246人のうち、情報システム部門が38.2%、製造・生産部門が16.7%、経営者・経営企画部門が6.1%、営業・販売部門と総務・人事部門が同率で5.7%といった内訳だった。

 今回は、業務で使用しているタブレットの「運用時のセキュリティ対策」や「トラブル遭遇の有無」「BYODの認可状況」など、業務利用タブレットのセキュリティ対策状況に関する質問を展開した。タブレット運用においては、ユーザーの利便性を保ちながらも、紛失による情報漏えいなどを防ぐためのセキュリティ対策を実施する必要がある。しかし、実際には全体で22.2%が端末を紛失したり、盗難被害に遭ったりした経験を持つなど危険な実態が見て取れた。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。

パスコードにウイルススキャン、タブレットのセキュリティ対策はどこまで必要?

 前編は業務用タブレットを導入している企業が全体の47.5%を占め、5年間で13.6ポイント増加していることが分かった。さらに、実際に導入している企業のタブレットに対する満足度も65.0%と半数を超え、社外での活用が進むことで、業務を効率的に行えるようになった点を評価している声も多いことに言及した。

 一方で“不満の声”として挙げられていたのは「セキュリティを強化したため利便性が低下した」という声だった。タブレットの社外利用を想定すると、社外でのウイルス感染や紛失による情報漏えいなどが起こらないようにセキュリティを強化せざるを得ない。しかし、本来の強みである利便性が損なわれてしまい、セキュリティと利便性がトレードオフの関係になることに、悩む企業も少なくない。企業では最適な運用の確立が求められているといえる。

 業務用タブレットに対して、企業はどのようなセキュリティ対策を実施しているのか。具体的な対策について聞いたところ、「パスワードやパスコードによるロックなど紛失対策機能の利用」(67.4%)、「ウイルススキャン機能などのセキュリティ対策」(57.4%)、「セキュリティポリシーの設定」(56.6%)の3項目が過半数で実施されていた。

 以降は、「端末データの遠隔除去、自動除去機能など紛失対策機能の利用」(48.8%)、「利用アプリケーションの制限」(35.7%)、「デバイス制御機能(一部通信機能の利用禁止設定など)」(34.1%)、「端末利用状況の監視機能の利用」(31.0%)が続く結果となった(図1)。

 セキュリティポリシーの設定はもちろんのこと、端末紛失時の情報漏えいを水際で防ぐパスコード設定、不正利用によるウイルス感染を防ぐウイルススキャンなど、上位3項目は社外での業務利用を考えたときに最低限設定しておきたい対策といえる。一方、端末データの遠隔除去や利用アプリケーション、一部機能の制限、端末自体の監視など、4位以下に挙げられた項目については利便性とのバランスによって実施有無が分かれそうだ。どのようなシーンで利用するのか、タブレットの使用頻度や利用するデータの種類などによって漏えいリスクを鑑みた検討が必要になるだろう。

図1 業務用タブレット運用時のセキュリティ対策

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