AI(人工知能)を利用している企業は、AIによる推論用のITリソースとして、オンプレミスとクラウドのどちらを選んでいるのか。その理由は? IDC Japanが900の組織を対象に調査した。
IDC Japanは2019年2月、国内企業および団体の経営層、事業部門長、部課長を対象としたアンケート調査を実施し、900の組織から得られた回答をもとに「2019年 国内企業のエンタープライズインフラのシステムタイプ別トレンド分析」を発表した。AI(人工知能)を活用している組織では、AIによる推論用のITリソースとして、オンプレミスとクラウドのどちらがより多く採用されたのだろうか。
同調査によれば、AIを活用している組織では、サーバやストレージといったAIによる推論用のITリソースとして、オンプレミスを採用している比率が53.2%、クラウドを採用する比率が33.8%だった。それぞれ選定理由をみると、オンプレミスを採用する組織では、約5割が「データの保護が重要であった」と回答。一方、クラウドを採用する企業は「データの保護が重要であった」「インフラを保有したくなかったため」が2割で上位を占めた。
IDC Japanによれば、オンプレミスとクラウドの選択基準として、どちらも「データの保護が重要であった」という項目が上位に挙がっていることから、データを保護するためには、組織内にデータを保持して解析処理を行う方が安全だという認識が多い一方、データ保護の観点からオンプレミスよりもクラウドの方が安全だという認識も広まっていると考えられる。
一方、学習フェーズで利用する教師データのデータ保管場所としては、クラウドおよびオンプレミスがともに約5割という結果になった。背景として、データの長期保存先はクラウドでよいという認識があるとIDC Japanは考える。なお、AIの解析対象とするデータの種類としては、構造化データが多い結果となった。
※回答者のうち、活用フェーズが「本番環境で導入している(用途拡大期)」「本番環境で導入している(導入初期〜定着期)」「試験的に導入している」の情報システム部門(IT部門)に対して質問した
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