Windows 10の大型アップデートなどでも活用されるIT資産管理ツールだが、企業は導入時にどのようなポイントを評価するのだろうか。また、あわせて「今までIT資産管理に関して何らかの事件があったかどうかを聞いたところ、「ヒヤリ」とするような回答が寄せられた。
キーマンズネットは2019年3月27日〜4月18日にわたり、「IT資産管理ツールの導入状況」に関する調査を実施した。全回答者数163人のうち、情報システム部門が44.2%、製造・生産部門が16.0%、経営者・経営企画部門が6.1%、営業・販売部門が4.3%などと続く内訳であった。
今回は、IT資産管理ツールの「利用目的」や「導入時の重視ポイント」「事件発生の有無」などを調査。11.7%の企業で「ライセンス違反」や「セキュリティ違反」「端末紛失」や「ビジネスメール詐欺」などIT資産管理ツールに関する事件が発生していることなどが分かる結果となった。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
前編ではクラウド型の利用が増加傾向にあるIT資産管理ツールの動向や、約8割の企業で情報システム部門がIT資産の管理をなっていること、そして管理対象端末の数が増えていることで、よりIT資産の管理が難しくなっている現状などを紹介した。後編は、企業がIT資産管理ツールをどのように活用しているのか、あるいはしたいのかを深堀りする。
はじめにIT資産管理ツールを「導入済み」「導入予定」とした回答者を対象に、「IT資産管理ツールで利用している(する予定の)機能」について尋ねた。その結果「ライセンス管理」71.3%、「資産台帳作成」63.0%、「ログ収集・監視」61.1%、「クライアント構成維持・管理」49.1%、「ソフトウェア配布」47.2%と続いた(図1)。
ライセンス違反は不正利用が発覚したときの損害賠償や社会的信用の失墜など、負うリスクが高いため、適切なライセンス管理が必要だ。ログ収集や監視、ソフトウェア配布についても対策が必要であり、6割以上の企業がIT資産管理ツールで対応していると分かった。
前編でも触れた通り”働き方改革“を促進する企業が増え、端末を外に持ち出すシーンが増えたことや、タブレットやスマートフォンなど利用するクライアント端末が多様化していることなどを背景に、利便性の向上と相反するセキュリティ対策で頭を抱える情報システム部門は少なくない。その対策としてIT資産管理ツールを活用するケースもあるようだ。
特に働く場所を問わないテレワークでは、社内の重要情報が外部に漏えいしないよう端末の操作ログからアクセスログ、プリントログの取得・管理などを自社セキュリティポリシーに応じて設定し、情報の不正な持ち出しや誤操作による情報漏えいを抑止する目的でIT資産管理ツールを利用する例も見られる。
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