業務システムは高機能化とともに操作も複雑化する。どの従業員でも簡単に操作できるようにマニュアルを作成するも、メンテナンスが滞りやがては「読まれないマニュアル」となっているケースもある。こうした操作マニュアルをシンプルにするのが「ナビゲーションツール」だ。
定型業務の標準化に欠かせないのがマニュアルの存在だ。ただ一言でマニュアルと言っても、業務手順を示す業務マニュアルやシステムやアプリケーションの操作方法や手順を説明するシステム操作マニュアルなど、種類はさまざまだ。企業内には多くのマニュアルが存在する。
特に業務の多くをシステム化している組織にとっては、業務システムの操作方法や手順をガイドするマニュアルの存在は重要だ。マニュアルがなければ操作ミスを招く恐れもある。しかし、紙のマニュアルにせよデータにせよ、その作成には多くの手間と時間がかかる。システムを操作しながらスクリーンショットを撮り、それをWordやPower Pointのドキュメントに貼り付け、さらに説明文を入力して……。これを人手で全て行うのは面倒だ。
こうしたマニュアル作成業務を効率化するために、マニュアル作成ツールがある。そして、最近はいわゆるマニュアルではなく、実際の画面に必要なアクションを表示させ、利用者を「ナビゲート」することで操作方法を伝えるナビゲーションツールを展開するベンダーが出てきた。本特集では「未来のマニュアル」と期待されるナビゲーションツールについて説明する。
マニュアル作成ツールにより、マニュアル作成やメンテナンスは大幅に効率化された。最近では、さらにもう一歩踏み込んでマニュアルの在り方そのものを見直そうという動きもある。
その背景には「読まれないマニュアル」といった問題がある。昔と比べて今の業務システムは機能も高度化し、システムによっては操作が複雑なものもある。複雑な操作方法をそのままマニュアルに落とし込むとなると、その分ページ数やテキスト量も膨らむ。そうなると、マニュアルの更新作業も大変だ。操作に変更が加わった場合は、膨大な量のテキストから対象箇所を探し出し更新しなければならない。手間をかけて更新しても、複雑化したマニュアルでは知りたい情報が何ページにあるのかが分からず、やがては“読まれないマニュアル”になってしまう。
その結果、操作でつまずいたらマニュアルを見ずに、情報システム部門に直接問い合わせるようになる。そうなると、情報システム部門の問い合わせ対応の工数も膨らむばかりだ。
こうした問題に対処するために、マニュアルがなくても感覚的に操作できるよう、直感的なユーザーインタフェースを採用し、社内システムの「マニュアルレス化」を進める企業もある。
マニュアルレス化の施策としてにわかに注目を集めるのが、システムの操作方法をガイドする「ナビゲーションツール」だ。マニュアルやトレーニングによって操作方法を伝えるのではなく、操作手順を直接画面に表示させ、実際の画面を使って操作方法を伝えるというものだ。
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