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事例でつかむ「マニュアル作成ツール」7つの活用ポイントIT導入完全ガイド(1/2 ページ)

WordやExcel、PowerPointなどを使い、時間と労力をかけて作成していた業務マニュアル。近年、簡単・迅速に作成し、配布やメンテも含めて解決する「業務マニュアル作成ツール」の導入例が増えている。

» 2016年06月01日 10時00分 公開
[吉村哲樹オフィスティーワイ]

 これまでWordやExcel、PowerPointなどを使い、時間と労力をかけて作成していた業務マニュアル。だが近年、簡単・迅速に作成し、配布やメンテナンス作業も含めて解決する「業務マニュアル作成ツール」の導入例が増えている。本稿では、具体的にどのようなシーンでどんなメリットを享受できるのかについて導入企業の事例を紹介しよう。

そもそも「業務マニュアルが存在しない」というケース

 業務マニュアル作成ツールはその名の通り、業務マニュアルの作成作業を支援するためのツールだが、「うちにはそもそも、業務マニュアルがまだ存在していない」という企業も少なくない。代表的な例が法律事務所や会計事務所といった、いわゆる「士業」の事務所だ。その多くが少人数で運営されていて「わざわざ業務マニュアルを用意するまでもない」というところも多いそうだ。

 しかし、スタッフの数が10人、20人と人数が増えてくると、業務マニュアルなしでは業務効率が目に見えて悪化する。新しいスタッフが入ってくるたびに、先輩がつききりで全ての業務の手順をレクチャーしなくてはならない。レクチャーを受ける側は、教わった内容を微に入り細に入り律義にノートにまとめる。だが、その内容は共有されることがなく、また新たに人が入ってくると同じことが繰り返される。

 ある会計事務所では、マニュアル作成によってスタッフの教育にかかる時間が削減できた。また、マニュアルの作成を通じて業務の標準化も進んだ。さらに、顧客からの問い合わせで多い「会計の処理方法」などは、電話やメール(テキスト)での回答では伝わりきらない部分が多かったという。そこで回答集をマニュアル作成ツールを使って作成し、それを顧客に案内しているそうだ。

既存の業務マニュアル作成業務の効率化

 業務マニュアル作成ツールの導入を検討している企業のほとんどが、既に業務マニュアルの作成や運用作業を行っており、そこで何らかの課題を感じている。特に仕事の性格上、業務マニュアルに大きく依存せざるを得ない業種や、作業手順が頻繁に変更されるような業務においては、業務マニュアルの作成・運用の効率が業務全体の生産性を大きく左右する。

管理職がマニュアルの更新作業で忙殺される

 コールセンター業務の生産性は、顧客からの問い合わせにどれだけ多く対応できるかにかかっている。しかし、効率性を追求するあまり対応の質を下げるわけにもいかない。このような業務では、高品質かつ高効率にできるすご腕オペレーターの働き方を「お手本」としてマニュアル化し、オペレーター間で共有する取り組みが欠かせない。また、コールセンター業務は人の入れ替わりも激しい。少しでも効率よく新人を教育するためにも業務マニュアルの整備は不可欠だ。

 だが、コールセンターに寄せられる問い合わせ内容は幅広く、その製品やサービスのラインアップもどんどん入れ替わっていく。当然、業務マニュアルの更新頻度も高くなり、専門業者に依頼していては間に合わない。実は、コールセンターの管理者やマネージャはマニュアルの更新作業に忙殺されていることが多いそうだ。

 ある化粧品メーカーでは、マニュアル作成は操作画面をキャプチャーして、WordやExcelに貼り付けて作るしかないと思い込んでいたそうだ。しかも、データ上で切り貼りした図版が印刷時にずれてしまうなどの失敗を繰り返しながらマニュアルを作成していた。このようなやり方で1時間かけていた作成作業はマニュアル作成ツールの活用によって10分程度で終わるようになったという。

社内ヘルプデスク業務の効率化

 コールセンターの事例は社外の顧客からの問い合わせ対応の効率化だったが、社内の従業員からの問い合わせに対応する部署でも検討の余地は大きい。特に、クライアントPCの使い方や業務システムのトラブルについての質問に応対するヘルプデスク業務は、情報システム部門が兼業で行っていることも多く、その対応作業の負荷が本来の業務を圧迫しているとも聞く。

 あらかじめ業務システムの利用手順や、クライアントPCのセットアップ手順などをマニュアル化しておき、それを社内に広く公開しておけば、問い合わせ対応に掛かる工数を大幅に減らせる可能性がある。あるいは、頻繁に寄せられる問い合わせの回答をFAQコンテンツとしてまとめて公開しておけば、問い合わせの件数をより減らせるだろう。文章やスクリーンショットだけではなく、実際にシステムを操作している様子をとらえた動画コンテンツもマニュアルの中に含められれば、ユーザーにとってより分かりやすい内容になる。

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