IDC Japanは、国内CRM市場の成長率を広告、コンタクトセンター、カスタマーサービスなど6つの分野に分けて調査した。6つのうち、どの分野が成長しどの分野が落ち込んだのか。
IDC Japanは、国内CRM(顧客関係管理)アプリケーション市場の調査結果を発表した。広告アプリケーション、コンタクトセンターアプリケーション、カスタマーサービスアプリケーション、デジタルコマースアプリケーション、マーケティングキャンペーン管理アプリケーション、セールス生産性/管理アプリケーションと市場を6つに分類してそれぞれを調査した。そのうち、広告アプリケーションとデジタルコマースアプリケーションについては、2019年から新設したものとなる。
2018年の国内CRMアプリケーション市場規模(金額ベース)は、前年比7.2%増の1572億1400万円となった。特に、マーケティングキャンペーン管理アプリケーション/コンタクトセンターアプリケーション市場での需要が高まり市場をけん引した。顧客エクスペリエンス(CX)をデジタルで創造する需要の高まりによるものだとみている。一方、カスタマーサービスアプリケーションは低調であり、マイナス成長となった。
広告アプリケーション市場は2019年より新設した市場分類であり、2018年の売上額は前年比成長率9.1%の388億3900万円となった。リターゲティング広告サービス「Criteo」に代表されるビッグデータを活用したリアルタイム広告の配信は、堅調に成長している。
コンタクトセンターアプリケーション市場は、前年比成長率14.6%の293億4600万円であった。同市場は官公庁関連の大型案件によって大きく成長した。カスタマーサービスアプリケーション市場は、前年比成長率5.5%減の303億6400万円であった。FAQ生成の自動化においては、AI(人工知能)を利用したシステムへ更改する傾向がみられ、チャットbotに市場が移行している。
2019年に新設したデジタルコマースアプリケーション市場は、前年比成長率6.9%、118億4900万円となった。デジタルコマースは、eコマースを利用する一般消費者の増加や、スマートフォンなどモバイルデバイスからの購買が増加していることで、需要が高まっている。
マーケティングキャンペーン管理アプリケーション市場は、前年比成長率16.5%の230億6700万円となった。マーケティングのデジタル化やオムニコマースの影響で、2017年から継続して高い成長率を維持している。
セールス生産性/管理アプリケーション市場は、前年比成長率5.8%の237億4900万円であった。2018年は、大企業での利用者の追加や、中堅・中小企業への拡販により、堅調に成長した。
国内CRMアプリケーション市場は、顧客エクスペリエンスの浸透や消費者、ビジネスバイヤーのデジタルトランスフォーメーション(DX)などにより、2018年〜2023年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は5.8%、2023年の市場規模は2079億8000万円とIDC Japanは予測する。
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