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仕事で男性よりも女性が“病む”原因は? 3万人の調査を分析した結果

HRデータラボのストレスの実態に関する調査結果から、ストレスによる総合健康リスクが高い業種や役職、性別が見えてきた。現代人はどのようなストレスを抱えているのだろうか。

» 2019年10月23日 11時00分 公開
[キーマンズネット]

 HRデータラボは2019年10月8日、ストレスの実態に関する調査結果を発表した。同社が提供する「ストレスチェッカー」を2019年に受検した全国3万118人分のデータを分析した。

 まず、ストレスによる総合健康リスクが高い業種を見ると、トップは運輸業、2位は製造業、3位は医療・福祉だった。運輸業がトップになったことについて、HRデータラボは、Eコマース市場の拡大による宅配便取り扱い数の増加や人手不足を背景に、1人当たりの業務量が増加していることに加え、上司や同僚とのコミュニケーションが不足し、支援が得られにくくなっている恐れがあると指摘する。

 「正社員と非正社員」「男性と女性」「管理職と非管理職」を比べると、どのような結果が見えたのだろうか。

 調査では、非正規正社員の方がストレスを抱えており、特に上司や同僚の支援不足が大きいようだ。

 ストレスの原因を聞いた質問では、女性は「仕事の質」や「家族や友人からのサポート不足」で男性よりも大きなストレスを抱えている結果になった。また、管理職は非管理職よりも、「仕事の量」と「仕事の質」の両面についてストレスを感じていた。この傾向は男女ともに見られたが、特に女性管理職は「仕事の質」について、より大きなストレスを抱えていることが明らかになった。

 管理職に限らず、女性は男性に比べて「仕事の質」でよりストレスを抱える傾向にあり、管理職ではその傾向が顕著だ。また、女性は男性に比べて「家族や友人からのサポート不足」によって、よりストレスを抱えていた。

 こうした女性のストレスに関する結果を受けて、HRデータラボでは、仕事の内容や進め方について、企業のケアが必要だと指摘する。例えば、完璧主義的な思考を変えるなど本人の意識を変えたり、経験者からのアドバイスが得られる機会を設けたり、徐々に経験を積む機会を与えたりするなどだ。さらに女性が活躍するためには、法律や制度の整備だけではなく、女性だけに子育てや家庭を任せないなど、周囲の理解や支援といった意識面の改善も必要だとしている。

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