2021年9月13日、RPA BANK はキーマンズネットに移管いたしました。
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近年、オフィスで導入されるようになってきたRPAとは、「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の頭文字から取った略語である。日本語に訳すと「ロボットによる業務自動化」という意味になるが、ロボットと聞いて、人型のロボットや工場内で単純作業に従事する産業用ロボットをイメージしてはいけない。
RPAは、ブルーカラーの肉体労働を代行する物理的なロボットとは異なり、おもにバックオフィスにおけるホワイトカラーの業務を代行するソフトウェアロボットである。具体的には、PCのアプリケーションの操作やシステム画面を識別して、人間と同じように作業ができるようにするロボットのことを指す。
RPAのしくみを簡単に説明すると、これまでは人間がPCなどを使って行っていたディスプレイ画面上の作業を、RPAにルールさえ登録しておけば、自動的に再現処理できるようになる。そして、請求書の処理やコールセンター業務など、ホワイトカラーの事務的な仕事を自動化し、代行できるようになる。
RPAで自動化できる仕事は、おもに事務職が毎日行う定型業務だ。これまで事務職が行ってきたような作業の「動作」を記録しながら、その動作を再現して自動的に作業を繰り返す。つまり、ある決まったワークフローに基づいて処理される事務作業を、ソフトウェアロボットによって自動化できるようになる。
これまで、ITシステムは日進月歩で進化してきたが、システムを操作するには人がマウスやキーボードなどを使って入力する作業が必要だった。また、PCでクリエイティブな作業をしているように見えても、実際はファイルをコピー&ペーストしたり、定型的なメールの返信処理に追われたり、数値を入力したりと、単純作業を減らすことはなかなかできなかった。
ところがRPAなら、人間がPCを操作して時間を費やさなければならなかった定型業務を代行し、しかも高速で確実に自動化して処理してくれるのだ。「反復の多い作業」や「データ量の多いもの」「工数や利用するソフトウェアが多い作業」といった定型業務では、RPA導入の効果が期待できる。
RPAの利便性に最初に注目したのは、顧客向けの定型的な事務作業が大量に発生する金融業やサービス業だった。これまで膨大な人手と時間をかけて行っていた定型業務を自動化することにより、大きな経済効果を得ることができるからだ。
現在では業界を問わず、さまざまな職場でRPAの導入が進みつつある。企業の経理や総務、人事といった間接部門では、必ず定型的な事務作業が発生するからだ。RPAはアメリカやヨーロッパで先行して普及しているが、少子高齢化で労働人口が減少し、労働力不足が深刻化している日本でも、今後普及させていく動きが活発になっていくだろう。
例えば、以下のような作業をRPAで代行することができる。
<RPAで行えるおもな作業>
こういった、「一度教われば、誰でもできるものの、手間がかかる業務」は、RPAの導入によって最も効率化できる仕事だ。
とても便利なRPAだが、導入前にまず確認しておくことがある。それは、「RPAでどのような業務を効率化したいのか」「それによって得られるメリットは何か」を整理し、知っておくということだ。RPAの導入によって得られるメリットについて具体的に整理した上で、自社に合ったRPAツールを選択・導入することをおすすめしたい。
一般的にPRA導入のメリットは、大きく分けて「売上の最大化」「コスト削減」「生産性の向上」「トラブル回避」の4つが挙げられる。
RPAには、これまで人が行っていた業務の時間を削減しながら、作業の品質を落とさないという強みがある。RPAに作業を担わせることで定型業務の効率化を図れば、ルーチンワークから解放された従業員は、新たな人的リソースとして活用することができる。
RPAによる自動化によって従業員がよりクリエイティブな業務に専従できるようになれば、そこから新たなイノベーションが生まれるなど、企業はよりアグレッシブに創造的な経営戦略を構築できるようになるだろう。
例えば、営業担当者であれば、見積書の作成やスケジュール調整といった間接業務に費やす膨大な手間と時間が削減でき、その分、営業活動に専念できるようになる。そうなれば、会社の売上を拡大することにつながるはずだ。
RPAは「デジタルレイバー(仮想知的労働者)」とも呼ばれ、24時間365日働き続けることができ、休日も休憩時間も有給休暇も必要ない。RPAが可能な仕事量は、導入するRPAのクラスやツールにもよるが、人間の数十人分にも相当する。そのため、RPAを導入すれば、人件費が大幅に削減できるだろう。
また、人間のように退職することがないため、新たに人材を採用したり、教育・研修を受けさせたりといったコストや、福利厚生のためのコストも少なくて済む。
人間が定型業務のような単純作業を続けた場合、それがどんなに簡単な作業であったとしても、ヒューマンエラーやミスを完全になくすことはできない。むしろ、そのエラーやミスをさらにチェックする人的リソースが必要となり、時間的なリソースもかさんでしまう。
その点、RPAなら24時間働き続けたとしてもエラーやミスはゼロであり、生産性は飛躍的に向上する。また、ミスに対するフォローやリカバリーの時間をなくすことができるので、担当従業員が本来すべき非定型な業務に専念できるようになるだろう。
RPAによる効果は、以上のような直接的なものだけではない。RPAによってヒューマンエラーがなくなるということは、過失による思わぬ情報漏洩や、人為的な個人情報や機密情報の流出などを未然に防ぐことができるということだ。さらに、従業員による独断と偏見によるコンプライアンス違反といった、トラブルもなくすことができる。
業務の効率化やコストの削減が大幅にできるRPAだが、実際に導入する段階で注意したいのは、現状ではほとんどのRPAがWindows用ということだ。
販売されているRPAツールでMac環境に対応しているものはほとんど見当たらず、Linux環境に対応するツールもごくわずかである。Mac環境やLinux環境のみで業務を行っている企業はごく一部だと思うが、RPAを導入するのであれば、自社のPC環境を今一度、見直してみる必要があるだろう。
RPAツールが作業を自動化するというと、「Excelのマクロとはどう違うのか?」という疑問を持つ方もいるかと思う。では、RPAツールとExcelのマクロでは、具体的にどのような違いがあるのだろうか?
Excelで記録したマクロを実行すれば、ある作業を自動化することができる。Excelのマクロは、「マクロの記録」機能を利用して一連の作業をExcelに覚えさせ、同じ操作が必要になったときには記録したマクロを「実行」することで、いわば作業の自動化が実現できるというものだ。
例えば、「Excel上で作成しているデータを毎週月曜に更新して、それをグラフ化しなければならない」といったルーチン作業があるとする。そのとき、「マクロの記録」を実行して、「データの範囲を選択してグラフウィザードにグラフの形式を設定する」といった、一連の操作を記録しておけばいい。そうすれば、次回からマクロを実行するだけで、同じ作業を繰り返してくれるようになる。
このように、マクロで作業手順の自動化が可能なのは、Excelだけではない。Microsoft Office製品(WordやAccessなど)のほか、Internet ExplorerなどもExcelのマクロで制御することができる。しかも、マクロなら、作業手順を自動化するのに費用がかからない。
いいことずくめのような感じもするが、マクロで作業手順を自動化できるのはMicrosoft社のマクロに対応したアプリケーションだけだ。また、Excel以外の複数のアプリケーションを連携させ、一度に自動化処理することはできない。そして、マクロはVBA(Visual Basic for Applications)というプログラミング言語に変換されて記録されるので、VBAを理解していなければ高度な作業手順の自動化はできないといったデメリットがある。
RPAツールで作業手順が自動化できるのは、Microsoft社の製品だけでなく、ほとんどすべてのアプリケーションが対象となる。しかも、複数のアプリケーションをまたいだ一連の作業も、一括して自動化することができるという特徴がある。
企業で発生する定型業務は、複数のアプリケーションを連携させて作業する場合も多いので、より便利に自動化できるといえる。しかも、RPAツールはプログラミングの必要がない上に、ブラウザのような画面で直感的に操作できるものが多い。そのため、プログラミング知識がない人でも簡単に操作できるというメリットがある。
以上をまとめると、「操作手順を記録してそれを再現してくれる」という点では、RPAツールとExcelマクロは似ている。しかし、対象となるアプリケーションの範囲や、作業手順を自動化する容易さ、メンテナンス性などにおいては大きく異なる。さらにRPAツールは、AI(人工知能)と連携することによって非定型業務を自動化できるなど、将来性においても大きく異なっているのである。
RPAツールは機能などによって、種類や提供形態が大きく分かれている。RPAの導入に際しては、以下のようなRPAの種類の違いや提供形態をよく確認して、どのようなRPAツールを採用するのが最適か、慎重に検討してもらいたい。
まず、RPAの種類には、大きく分けて「デスクトップ型」と「サーバー型」の2種類がある。デスクトップ型のRPAツールは「RDA(ロボティック・デスクトップ・オートメーション)」とも呼ばれ、実行環境であるPCにインストールし、自動化のための作業を行う。一方、サーバー型のRPAとはPCでサーバーと接続して、ロボットによる自動化の処理にあたる。
デスクトップ型RPAとサーバー型RPAの大きな違いは、デスクトップ型がサーバーに接続することなくPCだけで作業を完結するのに対して、サーバー型はPCとサーバーの連携によって作業を進めていくということだ。デスクトップ型とサーバー型には、それぞれにメリットとデメリットがある。
デスクトップ型RPAのメリットは、日常的なPC操作の感覚で、サーバーやネットワークの環境がなくても作業に取り組めることだ。デメリットは、担当者個人のスキルやカスタマイズの仕方に効果が大きく左右され、ロボットが端末を占有して他の作業ができなくなったり、自動化する作業ごとに端末を用意しなければならなくなったりすることがある。また、端末ごとのライセンス契約となるため、導入規模の拡大とともにコスト高にもなる。
一方、サーバー型RPAは、サーバー上で複数のロボットを一括で管理できるほか、ロボットの稼働中にPC端末が占有されずに別の作業を同時に行えるというメリットがある。デメリットとしては、デスクトップ型に比べて1ライセンスあたりの価格が割高だが、導入規模が拡大するほど運用コストは安くなっていく。ただし、サーバーとネットワークの環境構築が必要なため、導入・運用のハードルが高いこともある。
これまでのPC用アプリケーションと違い、大幅にビジネスの効率化を担うようになってきているRPAだが、その歴史はまだ始まったばかりである。
RPAツールのベンダー(製造・販売元)のパイオニアは、イギリスに本社を置くBlue Prism社だといわれている。2003年には、いち早くRPAツール「Blue Prism(ブループリズム)」の最初の製品を発売。2005年には、すでにBlue Prismを使用して、金融業界の顧客サービスにおける手作業プロセスの自動化が行われるようになったのがRPA活用のスタートである。
2010年頃から金融業界を中心にRPAが導入され始め、2015年頃からは金融業、サービス業などの業界で普及し始めた。それに伴い、RPAツールの売上も拡大しつつあり、2016年の売上金額は、前年度比4倍増と急激な成長を記録した。
さらに、2017年には前年比2.5倍増、2018年には2016年の5倍強、2021年には2016年の10倍強にまで成長すると予測されている(ITR「ITR Market View:AI/RPA市場2017」)。また、RPAツールの売上増加に伴い、RPAツールベンダーも急激に増えている。
また最近では、国内のRPA市場も高まりを見せている。それに伴い、国内のRPAツールベンダーも主要な企業だけで数十社以上が存在するようになっている。このことにより、アメリカやヨーロッパなどのRPAツールベンダーも、続々と日本市場へと進出し始めている。
それではここで、代表的な注目のRPAツールをご紹介しよう。RPAツールは、現在さまざまな製品がリリースされている。その中からRPA BANKがおすすめする、RPAツール8本をセレクトしてみた。RPAをこれから導入しようと検討している担当者に向けて、各RPAツールの概要や特徴、価格などを詳しくお伝えしたい。
「WinActor(ウィンアクター)」は、NTTのグループ企業であるNTTアドバンステクノロジが開発した国産RPAツールだ。これまでの導入企業は2,500社を超えており、日本国内でのシェアはトップとされている。基本的にデスクトップレベルでRPA化するツールだが、2017年9月にNTTデータが提供を開始した「管理ロボ」というソフトをインストールすることで、サーバーによる一括管理が可能になる。
<ラインアップ>
・WinActorフル機能版
業務自動化シナリオを作成し、自動化シナリオを実行するツール。
・WinActor実行版
WinActorフル機能版で作成した業務自動化シナリオを利用し、シナリオを実行することに特化したツール。
・WinDirector
WinActorで作成したロボットを、一元的に管理・統制できる上位のロボット管理ソフト。
<特徴>
Microsoft Office製品(Excel、Access、Word、Outlookなど)、ERP、OCR(画面イメージのみ)、個別に作り込んだシステム、共同利用システムなど、Windows端末から操作するあらゆるソフトの作業手順を自動化できる。完全日本語対応だ。
<価格>
1台あたりの年間利用料(保守料を含む)は標準価格90万8,000円(税抜)程度
※WinActor実行版は標準価格24万8,000円(税抜)程度
<導入事例>
米Kofax社のRPAツール「Kofax Kapow」の日本語版OEM製品が「BizRobo!(ビズロボ)」だ。400社以上の導入実績があり、国内実績No.1サービスとして高い評価を得ている。豊富な実績に基づいたロボット管理者向け、またはロボット作成者向けのトレーニングサービスが用意されており、RPAを初めて導入する企業に心強い存在となっている。
<ラインアップ>
・BizRobo! Basic(ビズロボベーシック)
サービス提供の形態が豊富で、1ヵ月間ロボットが作り放題・使い放題の「Trialプラン」、BizRobo!社内で働くロボットを活用できる「BPO(従量課金型)プラン」、月額定額料金でロボットが使い放題の「Rental(レンタル型)プラン」、自社のビジネスモデルや事業計画に合ったプランを提案してもらえる「Business Entry(プロフィットシェア型)プラン」がある。
・スキャンロボ
紙の電子管理や、紙からのデータ抽出・チェック、システムへの入力等の定型業務など、書類処理の事務業務をロボットが代行してくれるソリューションを提供。
・BizRobo! DX Cloud
BizRobo!Basicの機能をクラウドで提供するサービスである。RPAの運用機能を、顧客ごとの「プライベートクラウド」上に構築。シングルテナント(1つの企業が1つのシステムを専有する方式)、従量課金式で利用することが可能である。
<特徴>
Webサーバーを1台用意するだけで、複数のロボットを作成でき、それらを同時に運用することができる。そのため、大規模なWebアプリケーションに適している。また、ロボットに覚えさせる業務フローの作成が容易にできるので、担当者がロボットを簡単に作ることができる。日本語によるトレーニングコンテンツも用意されているのも特徴だ。
<価格>
最低利用料は標準価格年間720万円(税抜)程度
※販売代理店などの提供会社によって、買取り型、年間利用料型、レンタル型などの提供形態あり
<導入事例>
2001年に設立された、RPAの元祖というべき存在の英Blue Prism社からリリースされているのがRPAツールの「Blue Prism(ブループリズム)」だ。サーバー中央管理型でロボットを管理するので、大規模向けのRPAツールとなっている。情報のセキュリティ面で他社のRPAツールとの差別化を図っているため、きびしいセキュリティ対策機能を持ち、金融機関や大手企業での導入実績が豊富にある。
<ラインアップ>
エンタープライズ向けRPAソリューションとして、スケーラビリティ、セキュリティ、コンプライアンスの各機能を提供。最先端のクラウドや人工知能(AI)機能を組み込んだ導入をサポートしている。
<特徴>
汎用性に優れていることから、さまざまなインターフェースへの連携が可能である。また、ドラッグ&ドロップを備えたグラフィカルな描画インターフェースで、操作しやすいという特徴がある。また、ロボット管理機能も充実しており、ロボットの更新に伴うバージョンの管理、スケジュールの管理、ユーザー権限の付与など、多彩な機能を持っている。
<価格>
1年契約での年間最低利用料が標準価格120万円(税抜)程度
<導入事例>
高い技術力で業界をリードする米UiPath社開発し、動作シナリオの作成、実行、管理支援などの機能群をモジュール化し、別々の製品として提供することで、小規模から大規模まで幅広く対応するRPAツールが「Uipath(ユーアイパス)」である。2017年より日本法人を設立したほか、2018年10月には完全日本語化を実現しているため、国内でも大手金融機関や大手広告代理店などへのRPA導入実績を急速に伸ばしている。
サーバーでの中央管理ができるので、大規模な運用ができると同時に、PCにインストールしてデスクトップでの自動化も可能。「小さく始めて大きく育てる」RPAソリューションとなっている。なお、2ヵ月間の評価版を用意しているほか、非営利団体、教育機関、小規模企業(売上規模が10,000ドル以下)などに対しては、教育や評価を目的としていれば無償版の提供を行っている。
<ラインアップ>
ロボットのワークフロー作成ツール。
・UiPath Robo
稼働するロボットに、人間主導型ロボット(Attended)とロボット主導型ロボット(Unattended)の2タイプを用意。
・UiPath Orchestrator
作成したロボットの稼働状況を管理、統制、監視するツール。
<特徴>
ブラウザ上のデータやデスクトップアプリケーションなど、あらゆるシステムのデータを取り込める。ロボットのプロセスの変更や追加をする際は、ドラッグ&ドロップによる直感的でわかりやすいインターフェースとなっている。
また、ロボットのスケジューリング、作業負荷管理、報告、監査、監視といった管理業務はすべて集中できるので、安全性が確保された状態で運用できるのが特徴だ。
<価格>
最小構成(開発環境×1、実行環境×1)で標準価格52万5,000円(税抜)程度
※管理支援機能を含めた大規模な導入の場合、標準価格400万円(税抜)程度
<導入事例>
「NICE Robotic Process Automation(ナイス・ロボティック・プロセス・オートメーション)」は、元々コールセンター業界の通話記録などを行うソリューションのベンダーである、イスラエルのNICE社が手掛けたRPAツールだ。そのため、コールセンターの業務や顧客メールの管理など、カスタマーサービスに適したツールとなっており、数千席ある大規模コールセンターのような業務環境にも対応可能である。
世界で400社以上の導入実績があり、グローバルなソリューションの提供やサポート体制を敷いている。
<ラインアップ>
・NICE Robotic Process Automation
業務に応じて、業務処理をすべて自動で処理する全自動型、人の操作をアシストしながら定型業務を自動化する半自動型を使い分けられる。
・NICE Advanced Process Automation
複数の製品を統合したRPAツール。ルーチンワークやバックオフィス業務の自動化を可能にする。
<特徴>
オペレーターなど、ユーザーの操作画面の手順に応じながら、必要な情報をリアルタイムにロボットが表示するので、業務の半自動化が実現できる。また、デスクトップモニタリングという機能により、オペレーターが顧客と対話している際に音声を認識し、顧客の属性、ステータス、購入などのメタデータを自動作成することもできる。半自動化から全自動化まで、総合的な業務効率を改善できるソリューションツールとなっているのが特徴だ。
<価格>
要お問い合わせ
※フロントオフィス作業を支援する製品は低価格、バックオフィス作業を提供する製品は中価格に設定されている
<導入事例>
「Automation Anywhere Enterprise(オートメーション・エニウェア・エンタープライズ)」は、米Automation Anywhere社が日本IBMとの協業で開発し、企業の業務プロセスを管理し改善を目指すBPM(ビジネスプロセス管理)とRPAを組み合わせたRPAツールだ。高いセキュリティを確保するしくみを備えており、アメリカにおけるRPAツールとしては、シェアNo.1。バックオフィス系の業務に強みを持っているツールである。
<ラインアップ>
・Automation Anywhere Enterprise
BPM(業務プロセス管理)機能を搭載していて、業務の自動化とともに業務全体の可視化や効率化を可能にする。
<特徴>
機械学習と自然言語処理技術を用いることで、定型業務にとどまらず、一部の非定型業務の自動化までを実現できる。高いセキュリティ基準にも対応可能だ。また、サーバー型のシステムを提供しており、ロボットの一元管理を可能にしている。
<価格>
最低利用料は年間100万円(税抜)程度から
<導入事例>
米Pegasystems社のBPMやCRM(顧客関係管理)を補完する目的で提供されているRPAツール「Pega Robotic Automation(ペガ・ロボティックオートメーション)」だ。Pegasystems社は日本をはじめ、アジア、欧州、北米の35エリアに拠点を構えており、グローバルでの導入支援が可能となっている。
<ラインアップ>
・Pega Robotic Automation
システムとデータを統合し、大量の反復作業の自動化を促進するツール。
<特徴>
Pegasystems社は、元々30年の歴史があるBPM/CRMのソフトウェアベンダーであるため、Pega Robotic Automationには、業界トップクラスとなるBPMプラットフォームの主要機能を搭載している。業務の自動化と業務プロセス管理のデジタル化を、同時に実現することが可能だ。
<価格>
要お問い合わせ
<導入事例>
・支払い請求と集計業務のロボット化
「WorkFusion(ワークフュージョン)」は、RPAソフトウェアメーカーである米WorkFusion社のRPAで、グローバルで急速な導入が進んでいる。2018年12月には日本国内でも販売パートナー契約を締結し、より身近なRPAツールとなった。完全無料で提供している「RPA Express Starter」は、すでに世界150ヵ国で25,000以上のダウンロード実績を持っている。
同社ではAI技術を取り入れたソリューション提供にも積極的に取り組んでいて、有償版の「Smart Process Automation(SPA)」はRPAと機械学習、OCR(光学文字認識)、チャットボットなどが組み合わされたツールとして話題を呼んでいる。
<ラインアップ>
・RPA Express Starter(無料版)
クライアントPCにインストールする、デスクトップ型のRPAツール。RPA Express Starterのデータは、有料版のRPA Express ProやSmart Process Automation(SPA)にそのまま移行できる。
・RPA Express Pro(有料版)
サーバー型RPAツールとして、複数ロボットの集中管理が可能になる。RPA Express StarterとはOCRできるページの数や実行できるロボットの数で違いがある。
・Smart Process Automation(SPA)(有料版)
RPA Express Proとの違いはAI技術の搭載有無にある。AIによって操作をよりデジタル化し、拡張性のある迅速な自動化を実現し、ルールベースのRPAでは処理が難しい非定型業務まで自動化できる。
<特徴>
WorkFusion最大の特徴は、完全無料版「RPA Express Starter」が提供されているところだ。使い勝手はいいが物足りないと感じたら、データをそのままに有料版の「RPA Express Pro」や「Smart Process Automation(SPA)」に切り替えることもできる。
「Smart Process Automation(SPA)」については、AIをはじめとした複数のテクノロジーを組み合わせることで、事務作業全体の最大85%を自動化できるという点に強みを持っている。
<価格>
要お問い合わせ
※RPA Expressは無料
<導入事例>
「WorkFusion(ワークフュージョン)」は、RPAソフトウェアメーカーである米WorkFusion社のRPAで、グローバルで急速な導入が進んでいる。2018年12月には日本国内でも販売パートナー契約を締結し、より身近なRPAツールとなった。完全無料で提供している「RPA Express Starter」は、すでに世界150ヵ国で25,000以上のダウンロード実績を持っている。
同社ではAI技術を取り入れたソリューション提供にも積極的に取り組んでいて、有償版の「Smart Process Automation(SPA)」はRPAと機械学習、OCR(光学文字認識)、チャットボットなどが組み合わされたツールとして話題を呼んでいる。
<ラインアップ>
・RPA Express Starter(無料版)
クライアントPCにインストールする、デスクトップ型のRPAツール。RPA Express Starterのデータは、有料版のRPA Express ProやSmart Process Automation(SPA)にそのまま移行できる。
・RPA Express Pro(有料版)
サーバー型RPAツールとして、複数ロボットの集中管理が可能になる。RPA Express StarterとはOCRできるページの数や実行できるロボットの数で違いがある。
・Smart Process Automation(SPA)(有料版)
RPA Express Proとの違いはAI技術の搭載有無にある。AIによって操作をよりデジタル化し、拡張性のある迅速な自動化を実現し、ルールベースのRPAでは処理が難しい非定型業務まで自動化できる。
<特徴>
WorkFusion最大の特徴は、完全無料版「RPA Express Starter」が提供されているところだ。使い勝手はいいが物足りないと感じたら、データをそのままに有料版の「RPA Express Pro」や「Smart Process Automation(SPA)」に切り替えることもできる。
「Smart Process Automation(SPA)」については、AIをはじめとした複数のテクノロジーを組み合わせることで、事務作業全体の最大85%を自動化できるという点に強みを持っている。
<価格>
要お問い合わせ
※RPA Expressは無料
<導入事例>
RPAツール名 | ラインアップ | 特徴 | 価格 |
---|---|---|---|
WinActor | ・WinActorフル機能版 ・WinActor実行版 ・WinDirector |
Microsoft Office(Excel、Access、Word、Outlookなど)、ERP、OCR(画面イメージのみ)、個別に作り込んだシステム、共同利用システムなど、Windowsソフトの作業手順を自動化。基本的にデスクトップレベルのRPAツールだが、WinDirectorをインストールすればサーバー中央管理が可能。 | 1台あたりの年間利用料(保守料を含む)は標準価格90万8,000円(税抜)程度 ※WinActor実行版は標準価格24万8,000円(税抜)程度 |
BizRobo! | ・BizRobo! Basic ・スキャンロボ |
Webサーバー1台で複数のロボットを作成・運用できる。また、ロボットに覚えさせる業務フローの作成が容易にでき、担当者がロボットを簡単に作れる。ロボットの管理者や作成者に向けたトレーニングサービスを用意。 | 最低利用料は標準価格年間720万円(税抜)程度 ※代理店や提供会社により、買取型、年間利用料型、レンタル型などあり |
Blue Prism | ・Blue Prism | 汎用性に優れ、さまざまなインターフェースへ連携が可能。ドラッグ&ドロップで操作しやすい。また、ロボットの更新に伴うバージョン管理、スケジュール管理、ユーザー権限付与など、機能も充実。セキュリティ保護がきびしいサーバー中央管理型で、大規模導入向け。 | 1年契約での年間最低利用料が標準価格120万円(税抜)程度 |
UiPath | ・UiPath Studio ・UiPath Robo ・UiPath Orchestrator |
動作シナリオの作成・実行、管理支援などの機能群をモジュール化し、小規模から大規模まで幅広く対応。ブラウザ上のデータやデスクトップアプリケーションなど、あらゆるシステムのデータを取り込め、変更・追加はドラッグ&ドロップ。スケジューリング、作業負荷管理、報告、監査、監視といった業務をサーバーで集中管理できる。 | 最小構成(開発環境×1、実行環境×1)で標準価格52万5,000円(税抜)程度 ※管理支援機能を含めた大規模な導入の場合、標準価格400万円(税抜)程度 |
NICE | ・NICE Robotic Process Automation ・NICE Advanced Process Automation |
コールセンター業界のソリューションRPAツール。オペレーターなどの操作画面の手順に応じながら、顧客と対話している際の音声を認識し、顧客の属性、ステータス、購入などのメタデータを自動作成して、必要な情報をリアルタイムに表示し、半自動化。大規模な環境にも対応可能で、グローバルなソリューション提供やサポート体制もある。 | 要お問い合わせ ※フロントオフィス作業を支援する製品は低価格、バックオフィス作業を提供する製品は中価格に設定 |
Automation Anywhere | ・Automation Anywhere Enterprise | 機械学習と自然言語処理技術を用い、定型業務にとどまらず、一部非定型業務の自動化までの実現。サーバー型システムを提供し、ロボットの一元管理が可能。高いセキュリティを確保し、バックオフィス系の業務に強い。 | 最低利用料は年間100万円(税抜)程度から |
Pega Robotic AutomationPega | ・Robotic Automation | BPMやCRMの補完目的で提供されているRPAツール。業界トップクラスのBPMプラットフォームの主要機能を搭載。業務の自動化と、業務プロセス管理のデジタル化を同時に実現できる。日本をはじめ、世界35エリアに拠点を構え、グローバルでの導入支援が可能。 | 要お問い合わせ |
WorkFusion | ・RPA Express Starter(無料版) ・RPA Express Pro(有料版) ・Smart Process Automation(SPA)(有料版) |
完全無料版はすでに世界15ヵ国で25,000以上のダウンロード実績。Smart Process Automation(SPA)はAI技術を搭載し、機械学習、OCR、BPM、チャットボットなどを組み合わせることで事務作業全体の最大85%を自動化する。 | 要お問い合わせ ※RPA Express Starterは無料 |
RPAのさまざまなツールやサービスを比較してみたが、「いろいろありすぎてどれを選んだらいいのか迷ってしまう」と考えるかもしれない。しかし、実際のところ、RPAツールの設定のしやすさやRPAツールでできることなど、どの製品を選んでも大差はない。そこで、RPAを選ぶ基準についてご紹介しよう。
RPAツールを導入するにあたっては、「導入規模」「セキュリティ要求度」「ロボットの管理台数」「ツールの価格」を基準として選んでいくといいだろう。
「どのくらいの規模でRPAを導入するのか」によってRPAツールを選ぼう。もし、RPAを大規模に導入したいのであれば、サーバーで中央管理するタイプのRPAツールであるBizRobo!、Blue Prism、Automation Anywhereなどがおすすめだ。グローバルな展開もあるようなら、サポート体制のしっかりしているNICEやPega Robotic Automationを検討してもいいだろう。
とりあえずライトに始めたいというのであれば、デスクトップレベルでRPA化できるWinActorやUiPathのほか、無料で使用できるWorkFusionのRPA Express Starterという選択肢もある。
高いセキュリティを要求するのであれば、サーバーで管理するRPAツールが適している。おすすめは、企業のガバナンスやセキュリティ方針に準拠したロボットを開発しているBlue Prismだ。
ユーザー名やパスワードを管理するレベルであれば、権限管理、セキュリティ管理を強化しているWinActorやUiPathでも対応できるだろう。ただし、ソフトウェア的なセキュリティについては、どのRPAツールでも対策は施されており、通常の使用では特段気にする必要はない。
ロボットの管理台数によっても、導入するRPAツールの候補を決めることができる。多数のロボットを管理する必要がある場合には、サーバーによる中央管理は必須となる。BizRobo!、Blue Prism、Automation Anywhereはサーバー管理機能を持つため、ロボットが多い場合にはおすすめだ。
なお、UiPathは、デスクトップレベルで自動化するRDAタイプのツールなので、多数のロボットは管理することはできない。しかし、サーバー上で仮想化によるVM(バーチャルマシーン)を立てることによって、大規模なロボット導入も可能になる。
自社のRPAに対する予算によっても、導入するRPAツールが変わってくるだろう。WinActorやUiPathのように、デスクトップレベルでRPA化するツールであれば、年間数十万円から数百万円程度で導入が可能だ。サーバーで中央管理するタイプの RPAツールであるBizRobo!、Blue Prism、Automation Anywhereとなると、年間数百万円から数千万円程度の導入費用が必要となってくる。
RPAツールを購入しただけではRPAの導入は難しいので、ツール購入費以外にコンサルティング費用も必要になる。「とりあえずRPAツールを使ってみたい」という場合には、評価版(2ヵ月間)があるUiPathや、完全無料で使えるWorkFusionのRPA Express Starterなどを試してみるのもいいだろう。
RPAの導入は、企業ですでに行われている定型業務に大きな変革をもたらし、大幅な業務の効率化やコストの削減を実現する。そのため、RPAツール選びはとても重要だ。
もし選択に失敗すると、それまで進めてきた業務の効率化が急速に行き詰まり、かえって効率を落とす可能性がある。そして、代替のRPAツールを再選択することになると、大きな手戻りや再投資が発生する。
RPAの導入後に「やはりこのツールのほうが良かった…」と悔やまないように、ツールを導入した後の利用シーンや、1〜2年後を見据えた利用範囲の拡張までをイメージして、慎重にRPAツールを選ぼう。
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