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進むドローン開発、不審飛行にどう対応? 米国が採用した“安全”な対策:550th Lap

ドローン実用化が進むと同時にテロや犯罪利用の懸念も高まる。妨害電波や銃で撃ち落とすなど動きを封じる従来の対策は、落下先での危険を伴う。米国が新たに採用した“安全”な不審ドローン対策とは?

» 2020年02月14日 08時00分 公開
[キーマンズネット]

 不審ドローンの飛行は、国際的なイベント開催を控える日本にとっても遠い話ではない。従来の妨害電波発生や銃で撃ち落とすなどの方法では、落下場所によって重大な事故につながりかねない。そんな中、米国国防総省がまるで網漁のような捕獲方法の「ドローン捕獲用ドローン」を導入したという。その方法とは、いったい――?

 2020年2月3日、軍事関係専門ニュースサイト「Defense One」は、ドローン開発企業Fortem Technologiesが開発した不審ドローンを捕獲するドローン「Drone Hunter」のニュースを掲載した。記事によると、Drone Hunterは米国国防総省と契約を結んだという。

 Drone Hunterは、まるで漁をするかのように「投網」式でドローンを捕まえるという。同社の開発したドローン監視システムで不審ドローンを補足すると、自動的もしくは人的操作によってDrone Hunterが発進し、AIによる自律飛行で追跡する。そして不審ドローンに近づき、Drone Hunterが「網」を放出して捕獲し、網に不審ドローンを絡め取ったまま帰還するという。

 先述したように、不審ドローンの飛行阻止には幾つもの手法が存在する。Defense Oneはさまざまな手法を比較した上で、Drone Hunterの「投網捕獲」方式が非常に有用だと解説している。不審ドローンを急に操縦不能にしたり破壊したりすると、ドローン本体が居住区に落下し器物損壊、ケガ人が発生することも危惧される。

 妨害電波を使うと、各種無線通信が妨害され、ドローン周辺のモバイル端末がつながらなくなる可能性がある。不審ドローンがテロや犯罪に利用され飛行するとき、その目的地には大勢の人や重要な施設が存在するのは容易に想像できるだろう。たとえ不審ドローンを停止するためであっても、強硬手段では不幸な結果を招く可能性が高い。

 このDrone Hunterならばそういった二次被害を生むことなく、投網で不審ドローンの飛行を妨げられる点が米国国防総省に評価されているらしい。

 Defence Oneによると、米国国防総省はDrone Hunterと付随する監視システムに数百万ドルの投資をしているという。かなりの額を費やして不審ドローンの対策に取り組んでいるようだ。ドローンは世界各国で軍事利用され、昨今では小規模なドローンによるテロ攻撃も発生している。多くのインバウンド客の来日が見込まれる2020年、日本でも安全かつ確実な不審ドローンの対策が必要となるだろう。


上司X

上司X: 投網で不審ドローンを捕獲するドローンが米軍に採用されるという話だよ。


ブラックピット

ブラックピット: ドローンがドローンを捕獲ですか……。不審ドローンなんて高射砲かなんかで破壊してしまえばいいと思っていたんですけど、そうもいかないんですね。


上司X

上司X: 高射砲ってことはないだろうが……。人が多くあふれるところで不審ドローンが飛んでいたら、そう簡単に撃ち落とすワケにはいかないだろうな。


ブラックピット

ブラックピット: 破片が降り注いで阿鼻(あび)叫喚の騒ぎですわな。しかも妨害電波のせいケータイもつながらない! プチパニックですよ。


上司X

上司X: しかしまあ、そういう事態を避けるがための投網系ドローンだ。


ブラックピット

ブラックピット: いままでもバズーカ投網式とかカスミ網式とかでドローンを捕獲する取り組みはありましたよね! 網だけにまさに一網打尽と!


上司X

上司X: お、おう。キミの冴えないドローンジョークは置いておこう。まさに我が国はここから数カ月、いろいろな脅威に対策を重ねていかなければならない時期だ。飛行禁止にしたってきっとドローンを飛ばすヤツはいるだろう。世紀の大イベントの平和と安全を確保してもらいたいものだな。


川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


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