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カルビー、出社率を3割以下に抑制する新人事制度をスタート 出社率管理で人事が目をつけたITツールとは

カルビーはオフィス勤務の従業員の出社率30%を実現するため、新たな業務アプリを開発、運用を開始した。

» 2020年07月15日 16時30分 公開
[キーマンズネット]

 「ポテトチップス」や「じゃがりこ」といったスナック菓子の製造・販売で知られるカルビー。2014年には在宅勤務制度を開始し、2017年には制度の利用日数や働く場所の制限をなくし、テレワーク制度(同社は「モバイルワーク制度」と呼ぶ)を導入するなど、食品製造・販売業の中でもいち早く働き方改革に取り組んできた。

 2020年7月1日には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響でニューノーマル(新常態)時代の働き方が求められていることを契機に、モバイルワークを標準とする新制度「Calbee New Workstyle」を開始している。

 同制度は、オフィス勤務者約800人を対象に、モバイルワークを標準とし、コアタイムのない「フルフレックス」制を導入する。業務に支障がなければ単身赴任を解除し、通勤定期券代の支給を停止の上で「モバイルワーク手当」を支給するといった内容だ。モバイルワークが標準なので、出勤する場合は申請が必要となる。同社によると2020年5月に実施したオフィス勤務者対象のアンケートでは、回答者(n=604)の6割以上から「COVID-19感染拡大前の働き方を変えたい」との意見が挙がるなど、社内の意識にも変化が認められていたという。

 カルビーは同制度を期間の制限なく対象従業員に適用し、最終的に30%前後の出社率を目指すとしている。ところが、人事総務部は正確な従業員の出社率を計測する手段を持っていなかった。出社申請のためのワークフローツールなどもあったが既存システムの情報だけでは出社の有無をリアルタイムで掌握し切れていなかったのだ。

 そこで情報システム部門に依頼し、従業員の出社率状況を把握するアプリを開発、運用開始を決定した。アプリにはServiceNowの「Now Platform」を採用した。ServiceNow Japanが2020年7月15日に発表したプレスリリースによると、2019年時点でカルビーは従業員の生産性向上と働きやすい環境を構築するためにNow Platformを導入していたという。

導入決定から8稼働日で運用を開始した出社率把握アプリの詳細とは

 カルビーの新たな働き方制度の柱「モバイルワークの標準化とフルフレックスの導入」を実現するために、新たに開発されたアプリでは、どのようなことができるのだろうか。

 出社率把握アプリは制度対象者約800人のうち、本社勤務の約450人が対象だ。従業員の出社率を把握するためのアプリでは、従業員による出社申請登録から承認依頼メールの発信、上司や上長による承認までのワークフローを実行できる。さらに出社予定を個人、日付、部署別で検索も可能となった。

カルビーが開発した本社出社管理システム画面(出典:ServiceNow Japan プレスリリース)
カルビーが開発した本社出社管理システム画面(出典:ServiceNow Japan プレスリリース)

 一般的なアプリ開発では、企画立案からリリースまで数カ月を要することも多いが、カルビーはNow Platformの活用によりアプリ開発決定から動作検証、全社規模での運用開始まで実質8稼働日で完了したという。

 カルビーは、今後も継続して従業員の新たな働き方を実現するための仕組みを構築していくとしている。

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