コロナ禍の“おうち時間のお供”として世界中で売れ行きが好調なあのゲームが大統領選挙戦に使われるという。それっていったい?
2020年11月3日、米国の大統領選挙を前に、選挙の舞台が思わぬところまで広がったと話題を呼んでいる。急に選挙の話題? と思う読者もいるかもしれないが、日本発のあの大人気ゲームが米国大統領選の選挙活動の場となりそうという。いったい、どういうことなのだろうか――?
選挙の舞台として話題になっているのは、2020年3月に発売された「あつまれ どうぶつの森」だ。全世界で5000万台を超える売り上げを誇るゲーム機「Nintendo Switch」対応のゲームソフトで、2020年6月末日時点で既に2240万本を売り上げている。
「どうぶつの森」シリーズは、自分のアバターとなるキャラを作り、現実と同じ時間の進み方をする箱庭でどうぶつたちと生活をするゲームだ。その最新作であるあつまれ どうぶつの森は、無人島を開拓したり道具や家具を作ったりしながら暮らすというもの。インターネット経由で他のプレイヤーを自分の島に呼んだり、島を訪問できたりもする。何時間でも連続でプレイでき、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大防止のための在宅時間のお供としても世界中で人気を集めている。
そんなゲームが、いったいなぜ選挙の舞台となりそうなのだろうか?
米国大統領候補のジョー・バイデン氏(民主党)は2020年9月1日、あつまれ どうぶつの森のゲーム内で、バイデン氏と副大統領候補のカマラ・ハリス氏を応援するためのアイテムを配布すると発表した。そのアイテムは「ヤードサイン」と呼ばれる候補者名の書かれたカンバンのようなものだ。
米国の選挙でヤードサインは一般的で、自分の支持する政党や候補者名の書かれたヤードサインを自宅の庭に建てたり、自家用車のバンパーにステッカーを貼ったりもする。そのヤードサインを、バイデン陣営は、あつまれ どうぶつの森のゲーム内で配布したのだ。
あつまれ どうぶつの森のゲームでは、自分でアイテムの模様や絵柄をデザインできる。そのデザインを「マイデザイン」と呼び、自分で使う以外にもアイテムのIDやQRコードを公開できる。バイデン氏の陣営はマイデザイン機能を使って、ヤードサインを配布し、バイデン氏を支持するプレイヤーはそのヤードサインを自分の島に設置する、というわけだ。
実際のところ、選挙にどれほどの効果があるかは未知数だが、島を訪問した人に「バイデン支持者である」とゲームを通じて知らせることができる。
実は、ゲームを選挙に利用しようとしたのはバイデン氏が初めてではない。前回の大統領選挙で、ヒラリー・クリントン候補は、スマートフォン用ゲーム「ポケモンGO」の「ポケストップ」「ジム」として多くの人が集まるオハイオ州マジソンパークをあえて公式集会の場として設定したのだ。ポケモンGOのプレイヤーである若者へ向けたアピール目的だったという。
上司X: 「あつまれ どうぶつの森」のゲームを、米国の大統領選挙活動に使っているという話だよ。
ブラックピット: 「どぶもり」を選挙アピールにねえ。なかなかやりますなバイデン氏。
上司X: なんだい? 「どぶもり」って。
ブラックピット: 「どうぶつの森」だから略して「どぶもり」ですけど。
上司X: 斬新な略し方だな。普通は「あつもり」か「ぶつもり」だと思うんだけど。
ブラックピット: そういえば日本でも自民党の総裁選に向けて「どぶもり」でのアピール動画を作成して公開したらすぐに削除された、って話があったみたいですけど。
上司X: ああ、削除が早くてどういう内容だったか把握している人も少ないけど、どうやらゲーム内で党員やら一般市民らと交流しようとしていたらしいな。日本の任天堂に規約違反と判断されたということらしい。
ブラックピット: バイデン氏との違いがよく分かりませんけど、まあゲームの場を提供している本丸が「それはあかん」と言ったらダメなものはダメでしょうね。
上司X: まあ、これだけのヒットゲームだと今後もさまざまな使い道が出てきそうだな。どれほど影響するかは未知数だが……。
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
年齢:46歳
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中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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