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名刺管理ツールの利用状況(2020年)/後編

後編では、利用している名刺管理ツールやアプリの「良いところ」「ダメなところ」を読者に尋ねた。ツールやアプリに一番ストレスを感じている点とは。

» 2020年10月22日 07時00分 公開
[キーマンズネット]

 キーマンズネットは2020年9月14日〜10月2日にわたり、「名刺管理ツールの利用状況」に関する調査を実施した。全回答者数158人のうち情報システム部門が27.2%、製造・生産部門が20.9%、営業・販売・営業企画部門が11.4%、経営者・経営企画部門が8.2%などと続く内訳であった。

 今回は、個人利用を中心としたスマートフォン名刺管理アプリと法人利用を中心とした名刺管理ツールについて「利用しているサービス名」や「便利だと感じる点」「不便に感じる点」などを調査した。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。

カッコよくても凝ったデザインは迷惑? 名刺管理の不満の声

 前編では名刺管理ツール、アプリの利用状況やオンライン打ち合わせ時の名刺情報の交換方法について読者に尋ねた。後編では、まずスマートフォンアプリや管理ツールによる名刺管理のメリット、デメリットについて、調査結果を見ていく。

 最初に、「スマートフォンアプリを使って名刺を個人管理している」(20.9%)と回答した人に対して、具体的にどのアプリを利用しているのかを尋ねた。「Eight」が54.5%と過半数を占め、次いで「Wantedly People」15.2%、「CamCard Lite」「myBridge」12.1%と続いた。

図1 個人で使用している名刺管理アプリ

 関連して、利用している名刺管理アプリで「便利だと感じる点」を聞いたところ、以下の意見が寄せられた。また、このご時世で、在宅勤務で就労する読者も少なくないためか、物理的に名刺を保管せずに済むという意見も幾つか見られた。

名刺管理アプリで「便利」だと感じる点

  • 異動情報がすぐに分かること
  • お客さまの肩書が変わっても履歴を含めて管理できる
  • 相手側の所属変更などの情報も随時キャッチアップできる
  • 名刺の原本を保管する必要がないところ
  • 物理的に保管しなくても良い

 上記のほかに、「個人携帯でもアドレス帳を別管理できる」という回答からも見られるように、個人所有の携帯電話に仕事でつながった名刺情報を残しておけることで「他人とのつながりを強制されないところ」にメリットを感じる人もいた。

 対して「不便に感じる点」についても聞いたところ、寄せられたコメントが以下だ。

 目立ったのが、OCR(光学文字認識)などによる、名刺の読み取り精度に関する不満だ。企業努力もありOCR精度は日々向上しているとはいえ、デザインの凝った名刺はOCRで認識されにくく、ストレスを感じる人も一定数いた。オペレーターによる修正代行などを提供するベンダーもあるが、今後の機能改善を期待しているというのがユーザーの本音だろう。

名刺管理アプリで「不便」だと感じる点

  • 有料で良いのでOCR精度を上げてほしい
  • デザインが奇抜な名刺が読み取れない
  • 読み取りの際の誤認識。特に特定のフォントや社名で必ず起こる
  • 取り込み作業が面倒
  • 相手の更新情報が頻繁に届くことがある

読者に尋ねた「勤務先でどの名刺管理ツールを使ってますか?」

 続いて全体の15.2%を占めた「会社で導入している名刺管理ツールで管理している」とした回答者に対して、具体的にどのようなツールを利用しているかを尋ねた。

 「Sansan」が66.7%と大半を占め、次いで「HotProfile」8.3%、「CAMCARD BUSINESS」「SmartVisca」が4.2%と続いた。

 個人向け名刺管理アプリ「Eight」に続き、法人利用向けでも「Sansan」の利用率がトップとなり、法人用途ではSansanが提供するサービスの利用率が多くを占めた。

 法人利用向け名刺管理ツールと個人利用向けアプリの大きな違いは、他者が交換した名刺も含めた情報の一元管理と組織活用が実現できる点にあるのだろう。CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援システム)などと連携させることで、問い合わせの対応やメールの配信、適切なタイミングでの営業コンタクトを可能にするなど業務効率の向上にも貢献する。現状は全体で2割弱の利用率にとどまっているものの、こうしたメリットに注目し今後導入を検討する企業も少なくないものとみられる。

会社で導入している名刺管理ツールのいい点、悪い点

 最後に「会社で導入している名刺管理ツールで管理している」方に対し「便利だと感じる点」と「不便に感じる点」を聞いた。

 まず、便利だと感じる点は以下のようなコメントが寄せられた。部内で共有できるといった組織での名刺管理によるメリットの他、自分以外が交換した名刺情報を閲覧できる点に利点を感じる人も多数いた。

会社で導入している名刺管理ツールで「便利」だと感じる点

  • 自分以外の従業員が登録している名刺も検索できる
  • 個人だけでなく、部署や全社全体の共通資産として扱え、情報共有や顧客開拓にも活用できる
  • 他の従業員が公開している名刺が閲覧可能

 次に「不便に感じる点」について尋ねた結果が以下だ。

会社で導入している名刺管理ツールで「不便」だと感じる点

  • ランニングコストが高い
  • 不便ではないが費用が高い
  • 導入したばかりでまだ分からないことが多い
  • もう少し簡便に情報共有できる仕組みがほしい
  • スキャンするのが面倒
  • タグ付けに手間がかかる

 名刺情報の登録における“手間”を挙げる声が目立った。また、コスト面での不満を挙げる声もあり、費用対効果の面で不満を感じているケースもあるようだ。

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