キーマンズネットは2021年1月13〜29日にわたり、「SaaSアプリの利用状況に関するアンケート(2020年)」に関する調査を実施した。全回答者数106人のうち、情報システム部門と製造・生産部門が31.1%、営業・販売部門が13.2%、総務・人事が7.5%と続く内訳であった。
後編では、SaaSアプリがどの程度ビジネスシーンに定着しているのか、本当に企業の業務効率化を支援できているのか、SaaSを活用する企業が今後をどう見据えているかと紹介する。
なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
まず、利用中のSaaSアプリがどのくらい現場に定着しているかを聞いたところ「ほぼ定着している」「十分に定着している」が合計87.1%と大多数で、「どちらかというと定着していない」「全く定着していない」は12.8%にとどまった(図1)。
「定着していない」と回答した理由には、人員のスキルやリテラシーに関する課題や、SaaSの仕様に関する不満の声が上がった。
現場に組織的課題が残っていたり、オンプレミスに慣れていたりする場合、投資に見合った十分な活用が難しいという側面が見えた。SaaSの導入を検討する際は従来のシステムをただ置き換えるだけではなく、現状の見直しや利用者のスキル向上、意識の改革なども視野に入れる必要があるだろう。
SaaSアプリの導入効果を聞いたところ、業務効率が「非常に良くなった」(10.3%)と「やや良くなった」(55.1%)で合わせて65.4%となり、過半数の回答者がSaaSによる業務効率の改善を実感しているという結果が出た(図2)。
ネガティブな回答である「やや悪くなった」(3.8%)と「悪くなった」(2.6%)は合わせても1割に満たず、多くの組織がSaaSアプリ導入による業務効率向上の効果を感じていることが分かる。
業務効率についてのフリーコメントには「良くなった」と「変わらない」「悪くなった」で、それぞれのエピソードが寄せられた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.