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» 2021年03月16日 10時00分 公開

東日本大震災から10年、BCPが進まない企業のボトルネックはどこにある?

2021年3月11日、東日本大震災から10年を迎えた。事業継続計画や防災への取り組みに関して、企業の意識はどこまで変化したのか。10年たっても、BCPへの意識に変化がない企業の問題点はどこにあるのか。

[キーマンズネット]

 インフォコムは2021年3月4日、BCP(事業継続計画)や防災への取り組みに関する調査結果を発表した。今回の調査では、東日本大震災の発生から10年を迎えるに当たって、2016年に実施した同様の調査と比較しながら、「BCPの進展状況」「対策の変化」「従業員のBCPに対する理解の変化と理解が進んでいない理由」「IT活用状況」などを調べた。対象は、緊急連絡/安否確認システム「エマージェンシーコール」や情報管理ポータルシステム「BCPortal」など、インフォコムの危機管理サービスを導入している企業の防災担当者で、113社から有効回答を得た。

BCPへの理解とIT活用の変化 この10年でどこまで変わったか

 まず、BCPの策定状況を調べると、「策定済み」と回答した割合が最も高く47%だった。次いで、「策定済みだが見直しが必要」が41%、「策定中」が9%と続いた。策定済みの企業からは、「BCPを策定済みだが見直す時期になっている。何が必要で、何が不要か。電力の供給は大丈夫なのか、停電したらどうすれば良いのかなど、いろいろな角度から見直すことになるだろう」との意見があった。

BCPの策定状況(出典:インフォコム)

 5年前(2016年)と比べて、BCPに対する考え方や対策に変化があったかを聞くと、「変わった」と回答した割合は73%と大多数を占めた。具体的に変わった点を聞くと、「防災計画ではなく、事業継続のための計画になった」と回答した割合が最も高く56%(複数回答)に上った。次いで、「BCPがあればよいという意識から、使うためのBCPに変化した」が53%、「具体的な対策の準備が始まった」が45%だった。

BCPに対する考え方や対策の変化の有無について(出典:インフォコム)
BCPに対する考え方や対策の具体的な変化(出典:インフォコム)

 次に、従業員のBCPに対する理解について聞いた。

 2016年時と比べて「進んだ」と回答した割合が59%を占めた。これに対して「進んでいない」は17%。理解が進んでいない理由としては、「啓蒙が進んでいない」「BCPとの接点がない」「危機管理を統括する部署がない」などが挙がった。

BCPに対する理解にの進み具合について(出典:インフォコム)
BCPに対する理解が進んでいない理由(出典:インフォコム)

 BCPや防災へのIT活用も進んでいるようだ。2016年時と比べてBCPや防災へのIT活用が「十分進んでいる」と回答した割合は18%、「まあまあ進んでいる」は44%で、IT活用が過半数で進んでいた。それに対して「2016年時とほとんど変わらない」は10%だった。その理由としては、「どのように活用すれば良いか分からない」「ITに詳しい人がいない」「必要性を感じない」などが挙がった。

BCPや防災に対するIT活用状況(出典:インフォコム)
BCPや防災に対するIT活用状況が進んでいない理由(出典:インフォコム)

 一方、BCPや防災について今後強化したい取り組みを聞くと、ここでも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けていることが分かった。具体的には、「新型コロナウイルスなどの感染症を含めたBCPや初動マニュアルの見直し」と回答した割合が最も高く84%(複数回答)に上った。次いで「リモートワークに即したBCP対応の策定」が67%、「リモートでの訓練」が48%だった。

BCPや防災に対して強化していきたい取り組み(出典:インフォコム)

 最後に、SNSを活用した災害時の情報収集について尋ねた。「有効だと思う」との回答が最も多く、59%を占めた。ただし、「興味がある/試用してみたい」と積極的に利用の意向を示した人の割合は2%にすぎない。そして「デマや誤情報が多そう/信用できない」との回答も18%あり、「興味がない」は7%だった。

SNSを活用した災害時の情報収集について(出典:インフォコム)

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