IDC Japanが国内事業者のデータセンターの延床面積予測を発表した。2020〜2025年までのCAGRは6.7%を見込み、建築ラッシュに伴う関連産業の需要増も予測される。
IDC Japan(以下、IDC)は2021年5月6日、国内のITベンダーやITサービス事業者、通信事業者、クラウドサービス事業者などが国内に所有または賃借するデータセンター建物の延床面積予測を発表した。2020〜2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を6.7%と見込み、2025年には東京ドームおよそ72個分にあたる、339万8000平方メートルまで増加すると予測している。
編集部注:東京ドーム1個分の広さを4.7平方キロメートルとして算出
IDCの調査によると、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft、Googleなどのクラウドサービス事業者が日本国内のデータセンターを急ピッチで拡張していることを背景に、2021〜2025年は事業者データセンターの新設ラッシュになる見込みだ。
2020年末の国内事業者データセンター延床面積は245万7600平方メートルで、同社は毎年20万平方メートル前後のペースで延床面積が拡大すると予測している。
特に、サーバ室面積が5000平方メートル以上、1ラック当たりの電力供給量が6kVA以上のハイパースケールデータセンターについて、同社は「クラウドサービス拠点として建設需要が高まり、その延床面積も高水準で推移する」と予測する。2020〜2025年のCAGRは延床面積で28.8%になり、2025年の延床面積は120万平方メートルを超えると予測している。また、ハイパースケールデータセンターでは消費電力も増加するため、電力容量のCAGRは面積よりも高く、37.2%になると見込む。
IDC JapanでITサービスのリサーチマネージャーを務める伊藤未明氏は「ハイパースケールデータセンターの建設ラッシュで、広い土地と巨大な電力供給能力に対する需要が高まっている」と分析している。
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