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リモートアクセス環境の整備状況(2022年)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、企業はリモートワークの対応を余儀なくされてきた。整備状況を調査したアンケート結果では、リモート接続環境に対する従業員の不満が浮き彫りになった。

» 2022年02月03日 09時00分 公開
[キーマンズネット]

 キーマンズネットは2022年1月6日〜1月11日にわたり「デスクトップ仮想化の利用状況」に関する調査を実施した。アンケート結果を基に、本稿は社内環境へのリモート接続の頻度や手段、リモート環境に対する満足度などを明らかにする。

 調査では、全体の約8割の回答者がリモート接続をする体制にあるが、企業によって環境の整備状況にバラつきがあると分かった。またリモート接続をする回答者の半数以上が「さまざまなトラブル」によってアクセス環境に不満を抱いている。

テレワークの現在地 中小企業の対応は?

 新型コロナウイルスの影響で、企業はテレワークへの対応を余儀なくされてきた。2020年5月の緊急事態宣言が発令されてから約2年がたとうとしているが、テレワークはどれほど普及したのだろうか。

 通常業務において自宅やサテライトオフィスなど社外から社内環境にリモート接続する機会の有無を尋ねたところ、「常にある」(51.1%)、「時々ある」(32.3%)、「全くない」(16.6%)という結果が出た。「常にある」と「時々ある」を合わせて全体の83.4%が何らかの形でテレワークを実施していると分かる。

 この結果を2021年5月に行った同様の調査と比較すると「リモート接続をしている」と回答した割合は1.3ポイント増に過ぎず、大きな変化はない。規模が大きい企業ほどテレワークに対応している傾向も続いていた。

 なお、社内環境にリモート接続することが「全くない」と回答した方に対し、環境整備の意向を聞いたところ「予定はない」が6割と過半数だった。このことからも、テレワーク対応は一巡しており、業態や職種によるが「テレワークに適さない業務」は一定残り続けるものと考えられる。

図1:オフィス外から社内環境へのリモート接続機会の有無

リモート接続の王道「VPN」が強いが、VDIやDaaSは?

 社外から社内環境へのリモート接続頻度が「常にある」「時々ある」とした回答者に接続手段を聞いた。最も多かったのは「VPN経由で接続」(62.8%)で、「リモートアクセスツール/サービスを用いて接続」(47.9%)、「VDI(仮想デスクトップ)を用いて接続」(22.6%)、「DaaS(Desktop as a Service)を用いて接続」(5.0%)だった(図2)。

 前回調査と同様にリモート接続の主流は「VPN」で、企業規模別の導入状況を見てもこの傾向は変わらない。他の接続手段と比較して、手軽かつ安価にリモート接続を実現できることから、企業規模にかかわらず普及していると考えられる。VPNやリモートアクセスツールと比較すると、構築や運用コストがかさみやすい「VDI」は、1000人以上の従業員を擁する企業で最も導入率が高い。また、クラウドでホストされた仮想デスクトップにインターネットを通じてアクセスするDaaSは、VDIと比較して初期投資や運用工数を削減できるメリットがあるが、導入はほとんど進んでいないようだ。

図2:オフィス外から社内環境へのリモート接続手段

リモート接続環境への“不満”が止まらない

 社外から社内システムにリモート接続する機会があるとした回答者に対し、接続環境に対する満足度を聞いた。「不満を感じる」(10.3%)、「やや不満を感じる」(42.1%)が52.4%と過半数だった(図3)。前回調査と比較しても、不満を感じるとした回答の割合は微増している。

 「やや不満を感じる」「不満を感じる」と回答した人たちが不満を感じるポイントはどこにあるのだろうか。フリーコメントで寄せられた回答を見ると、「接続やレスポンス、操作性」「セキュリティ」に関する意見が目立った。

 接続やレスポンス、操作性については「従業員数よりもVPNで一度に接続できる数が少ないので、接続できない場合がある」や「勤務時間よりも接続上限時間が短いので、途中で強制切断されることがある」といった声が聞かれた。「自宅PCとリモート操作する会社PCの画面サイズ・解像度の違いよって、違和感がある」や「キーボードショートカットが使えない場合がある」「時々PCを再起動させないと仮想VPNソフトが動作しないことがある」など、通常勤務時と操作性が異なることに不満を感じるケースもある。

 セキュリティポリシーに関する不満も寄せられた。「ゼロトラストの考え方に則しておらず、シングルサインオンなどの対応が不十分」など、セキュリティリスクを指摘する意見の他「セキュリティ強化のために社内で使用しているソフトを(リモート環境で)使用できない」や「在宅勤務用のPCのセキュリティソフトを従業員が調達しなくてはならない」といった不満も寄せられた。セキュリティと利便性の両立ができていないため、企業のデータが危険にさらされていたり、従業員の生産性を落としていたりする可能性がある。

図3:リモート接続環境の満足度

 全回答者数313人のうち、情報システム部門が37.7%、営業/営業企画・販売/販売促進部門が15.3%、製造・生産部門が11.8%、総務・人事部門が6.7%、経営者・経営企画部門が6.4%といった内訳であった。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。

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