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» 2022年02月09日 07時00分 公開

Wi-Fi、6G、LPWA…… 最適な通信環境もう迷わない「エクストリームNaaS」とは?

新たな通信環境を創出する技術開発が進展している。不感地帯はなく、全陸地はもちろん海や川などの水中や航空高度の空中、さらに宇宙でも無線アプリケーションを利用できる。「ここは電波が悪いから移動します」という言葉を聞くこともなくなるだろう。その先端技術の一端を担う「エクストリームNaaS」について紹介する。

[土肥正弘,キーマンズネット]

「エクストリームNaaS」とは?

 NaaS(Network as a Service)は、拡張性のあるフルマネージドのネットワークサービスで、豊富なネットワークリソースから契約者の要求に対して最適なネットワークを提供するサービスを指す。そこに極度を意味する「エクストリーム」を重ねた「エクストリームNaaS」は、エンドツーエンドの無線領域にまで拡張していくNTTグループ発のコンセプトだ。将来的に標準化が期待されるミリ波帯も含む5G/6Gや無線LAN、LPWA(Low Power Wide Area)などの各種無線通信方式を包含し、環境や通信方式を問わず必要十分な性能で快適かつ安全な無線通信を可能とする。

NTTグループのIOWN構想と無線ネットワーク

 NTTグループは従来より、ネットワークと予測や制御をするICTリソースを組み合わせ、環境条件を問わずアプリケーションの要求品質通りのエンドツーエンド通信を目指す「IOWN構想」(IOWN:Innovative Optical and Wireless Network)を推進する。既にコアネットワークや末端のアクセス回線、無線基地局といった中継部分も光による広帯域化が整備された。この光技術をデバイス内のチップ間やメニーコアチップ内のコア間の伝送、チップ内の信号処理などにも適用し、低消費電力かつ低遅延、大容量・高品質の各3項目を現在の約100倍に向上させる目標を掲げる。

 一方、光ケーブルではなく電波を利用する無線アクセス領域は、セルラー系の5G(将来的には6Gも含む)をはじめ、ローカル5Gや新旧仕様が混在する無線LAN、各種方式のLPWAなどが利用されている現状がある。通信端末はIoT機器やスマホ、コネクテッドカー、無人搬送車(AGV)など増加の一途をたどり、扱うデータも動画や3Dグラフィックスのように大容量通信を必要とするため、輻輳(ふくそう)が必ず生じる。エクストリームNaaSは、そんな輻輳を避けてその場にある無線通信機器の性能を適宜利用してアプリケーションのパフォーマンスを最大化する。

 従来は無線でのアクセスを円滑にするため、ネットワーク事業者やSIerなどが、エンドユーザーやアプリケーションが求める品質や帯域といった要件に見合う方式を無線エリア構築時に選択し、提供してきた。しかし実際のところ、どれほど優れたNaaSでも、対象エリアの環境の変化によって変動する電波環境に素早く追従することは困難だ。例えば、物流倉庫で無線環境を構築した当初は最適な電波伝搬状況だったが、物品の搬入・搬出や仮置きに伴う端末の増加やレイアウト変更、壁や物品の移動などの要因で電波伝搬状況が変わってしまう。

 エクストリームNaaSは、上述のように変化する電波伝搬状況にリアルタイムで追従し、最適な無線アクセスの提供を可能とする。電波伝搬状況に応じて人やモノを移動させたり、人や端末が通信方式を切り替えたりする必要はなく、利用環境に最適な無線通信をネットワーク側で選択し、提供してくれる。ユーザーは電波環境や通信方式などを意識せずに快適なアプリケーション利用を実現する。

図1 エクストリームNaaSの全体イメージ(出典:NTT情報ネットワーク総合研究所)

 図のように、エクストリームNaaSの技術のポイントは、「無線アクセスの高度化」と「環境に追従するネットワークの提供」の2つだ。

エクストリームNaaSの技術のポイント(1)無線アクセスの高度化

 現在のセルラー系の最新無線技術は5Gだ。その特徴は超高速大容量(eMBB)、超低遅延(URLLC)、超多端末接続(mMTC)だが、さらに拡張するものとしてBeyond 5G/6Gが想定される。エクストリームNaaSは5Gの拡張だけでなく、カバレッジを陸上では100%にし、さらに高度1万メートルの航空高度にも及ぶ空の上やドローン通信、海上、海中、さらには宇宙までカバーすることも視野に入る。また、1?以下の高解像度な測位とセンシング、ハイレベルなセキュリティと安全性の確保、99.99999%の信頼性保証といった高い要求事項も提起される。一方で、無線局免許が不要な周波数帯を利用して企業などが自営可能な無線LANや各種のLPWA(Low Power Wide Area)も同時に活用する必要がある。

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