メディア

約8割の企業が稟議に悩み アンケートから分かる“アナログ稟議の闇”

エイトレッドは、従業員数100人以上の会社で過去半年以内に3回以上稟議を起案した109人に、「稟議書に関する実態調査」を実施した。アンケートの結果から、「アナログ申請フローで稟議書が紛失した」など、企業の悩みが明らかになった。

» 2022年03月28日 15時55分 公開
[キーマンズネット]

 業務手続きの電子化システム(ワークフローシステム)を提供するエイトレッドは、従業員数100人以上の会社で過去半年以内に3回以上稟議(りんぎ)を起案した人109人に対し、「稟議書」に関する実態調査を実施した。

稟議状況の確認

 まず、「Q1.あなたが、申請したことのある稟議の種類を教えてください」(複数回答可)と尋ねた項目では、「物品購入稟議」が66.1%、「出張稟議」が50.5%、「契約稟議」が47.7%という回答になった。

図1 「Q1.あなたが、申請したことのある稟議の種類を教えてください」(出典:エイトレッドのリリース)

 次に、「Q2.あなたがお勤めの企業の稟議をどのような形式ですか」という質問項目では、「ワークフローシステム」が41.3%、「Word、Excelに記入、印刷して申請」が37.6%という結果になった。

図2 「Q2.あなたがお勤めの企業では、稟議をどのような形式で行っていますか」(出典:エイトレッドのリリース)

 また、「Q3.稟議を申請してから承認(決裁)されるまでにかかる、平均日数を教えてください」という質問項目では、「1日未満」が4.6%、「1日以上3日未満」が37.6%だった。

図3 「Q3.お勤め先で、稟議を申請してから承認(決裁)されるまでにかかる、平均日数を教えてください」(出典:エイトレッドのリリース)

 ここまで企業における稟議の大まかな内容を確認した。以降では、約8割が抱える稟議や申請フローの「具体的な悩み」を見ていく。

 寄せられた回答では「いまだに紙書類を承認者の机上に置いて稟議を重ねている」「稟議書がどこを回っているのか分からなく、紛失していたことがある」といった悲惨な実態が明らかになった。

稟議や申請フローに関する悩みはなに?

 次に、「Q4.お勤め先の稟議の申請フローに関して悩みはありますか」という質問項目では、「何度もある」が33.9%、「ややある」が45.0%という回答となった。

図4 「Q4.あなたは、お勤め先の稟議の申請フローに関して悩みを感じたことがありますか」(出典:エイトレッドのリリース)

 「何度もある」「ややある」と回答した方に、「Q5.稟議の申請フローに関して、どのような悩みを感じたことがあるか、教えてください」(複数回答可)という質問項目では、「承認までに時間がかかる」が60.5%、「稟議の進捗が把握しづらい」が55.8%を占めた。

図5 「Q5.稟議の申請フローに関して、どのような悩みを感じたことがあるか、教えてください」(出典:エイトレッドのリリース)

 Q5で「分からない/答えられない」以外を回答した人に、「Q6.Q5で回答した以外に、稟議の申請フローの悩みがあれば、自由に教えてください」(自由回答可)という質問項目では、「いまだに紙書類を実際に承認者の机上に置いて稟議を重ねている」や「上層部が電子申請に消極的」など55の回答が寄せられた。

<自由回答を一部抜粋>

  • 48歳:いまだに紙書類を承認者の机上に置いて稟議を重ねている
  • 53歳:上層部が電子申請に消極的
  • 50歳:事前の根回しに時間がかかる
  • 56歳:決裁されたかどうかのリターンがない
  • 58歳:細かいニュアンスが伝わらない
  • 40歳:忘れられる危険性がある

稟議で困った具体的なエピソードを紹介

 「Q7.稟議の申請から承認までのフローで、困ったエピソードを自由に回答してください」という質問項目では、「時間がかかってしまい、他社に迷惑をかけてしまった」や「稟議書がどこを回っているのか分からなくなり、紛失していたことがある」など75の回答を得られた。

<自由回答を一部抜粋>

  • 38歳:(申請に)時間がかかってしまい、他社に迷惑をかけてしまった
  • 47歳:稟議書がどこを回っているのか分からなく、紛失していたことがある
  • 48歳:同じような稟議書が他の部署からも上がり、上司が把握しきれていなかった
  • 43歳:(稟議で間違いがあった際の)修正が困難
  • 53歳:急いで承認を得る必要がある稟議が、役員で承認放置されるとき
  • 54歳:フローの作成と人事異動があった際の変更に手間がかかる

 「Q8.お勤め先で稟議書が役に立った場面について、教えてください」(複数回答可)という質問項目では、「会社の意思決定の証拠になった」が51.4%、「会社の意思決定の軸を把握でき、起案時の参考となった」が30.3%、「メリットやリスクなどを複数の視点から検討することができた」が23.9%という回答となった。

図6 「Q8.お勤め先で稟議書が役に立った場面について、教えてください」(出典:エイトレッドのリリース)

 Q8で「一切ない/答えられない」以外を回答した人に、「Q9.Q8で回答した以外に、稟議書が役に立った場面があれば教えてください」という質問項目では、「役員のものの見方が分かった」や「過去の担当者の対応を稟議書で確認できる」など55の回答を得られた。

<自由回答を一部抜粋>

  • 55歳:役員のものの見方が分かった
  • 53歳:過去の担当者の対応を稟議書で確認できる
  • 50歳:次回以降の承認が早くなった
  • 50歳:誰の承認のもとに業務しているか明確になり、疑われる余地がなくなった
  • 46歳:記録として残るのですぐに調べられる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。