Z世代は、ハイブリッドな労働環境でのキャリアに幻滅しているとLHHはレポートで報告した。彼らは、ミレニアル世代、X世代、ベビーブーマー世代よりも、あることを強く求めている傾向にあるという。
LLHHは、米国、英国およびフランスの2000人を対象に、「転職」「リーダーシップ」「リスキル」に関する調査を実施した。LHHの調査では、Z世代の半数以上が「仕事に対して特に不安を感じている」と回答し、34%が「自分のスキルセットは職場で使えない」と述べた。さらにZ世代回答者の33%が「キャリアアップは自分ではどうにもならない」と感じているという。
LHHのレポートは、Z世代について「彼らは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延時のハイブリッドな労働環境でキャリアをスタートさせた結果、いま最も幻滅している。自分でキャリアをコントロールできないと感じており、将来に対する悲観的な見通しが、自信を低下させている」と追記している。
調査はさらに、Z世代の回答者の34%が「同僚とうまくいっていない」と告白し、回答者の3人に1人が「年上の人と比べて自分の声が届いていないように感じている」と答えたことも明らかにした。
Z世代に関するこの分析結果(dismal analysis)は、Z世代の悲観論を裏付けるものだ。この年齢層の厳しい現状(arguably bleak present)と不確かな未来の仕事に対する態度は、過去の調査結果とも一致している。Z世代が"渇望していること"とは。
ワシントン州立大学のカーソン・ビジネス・カレッジ(Carson College of Business)が2022年2月に作成したレポートによると、「Z世代は対面での仕事のやりとりがないことに息苦しさを感じる傾向が最も高い」とされている(注1)。同様に、LinkedInの会員がキャリア、投資、個人的な財務などについてどのように感じているかを測定した「Workforce Confidence Index」では、Z世代は「より多くの学習機会や、スキルと専門性を発揮する手段を持つことを最も強く望んでいること」が明らかになった(注2)。この年齢層は、ミレニアル世代、X世代、ベビーブーマー世代よりも、昇進やより大きな責任を担う機会を求めている。
要するに、Z世代はスキルアップの機会を求め続けている。実際、現在の情勢では、この年齢層の求職者にとってスキルアップは最優先事項となっている。
同調査は女性のキャリアに対する不安も浮き彫りにしたとLHHは報告する。84%の女性が「キャリアアップのためのスキルがある」と回答しているが、その一方でほとんどの女性が転職に不安を感じていることが分かった。調査によれば、この傾向は男性よりも顕著だ。
働く女性は、自分のスキルや知識を発揮する機会を得るだけでなく、ポジティブで歓迎される環境で活躍する機会を得られるよう、長年にわたって取り組んできた。同一賃金に関する率直な話し合い(注3)が増えているにもかかわらず、女性は依然としてマイクロアグレッション(microaggressions=自覚なき差別)、ハラスメントや暴力の脅威、職場での信用失墜を乗り越えなければならない。
雇用主は、女性のいる職場に姿を見せ、成功に必要なツールを与え、成功を確信させることによって、女性の不安をいくらか解消できる。
「世界はかつてないほどの変化を遂げ、仕事や将来に対する人々の思いもさまざまだと私たちは理解している。ある人にとっては急速な変化は刺激的だが、ある人にとっては不安を生み出す」とLHHのプレゼント、ガエル・デ・ラ・フォッセ(Gaelle de la Fosse)氏は声明で述べた。
同氏は「私たちがビジネスにおいて効果的に活動するためには、人々が仕事やキャリアの未来についてどのように感じているのかを深く理解する必要がある」とも述べ、この観点から、従業員の能力を向上させるためにスキルアップを図ることが解決策となり得るとした。
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