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企業における「AIのコンプラ違反」は誰の責任か?

IBMはAI倫理に関する調査レポート「AI倫理の実践 - 信頼できるAI実現へ、全社的取り組みを」を発表した。調査結果から、“AI倫理に責任を持つ役割の根本的な変化”が明らかになった。

» 2022年06月08日 14時40分 公開
[大島広嵩キーマンズネット]

 IBMは2022年6月7日、AI(人工知能)倫理に関する調査レポート「AI倫理の実践 - 信頼できるAI実現へ、全社的取り組みを」を発表した。調査結果から、組織における“AI倫理に責任を持つ役割の根本的な変化”が明らかになった。

AI倫理の責任は、IT部門からどこへ移行した?

 「AI倫理について責任を負うべき主な職務」の調査項目では、回答者の80%がCEOなどの「非技術部門のリーダー」をAI倫理の責任者、推進者として挙げた。2018年時の15%から急上昇した結果となった。

 また、サステナビリティーや社会的責任、ダイバーシティーとインクルージョンの面で同業他社と比較して優れたパフォーマンスを発揮するなど、信頼できるAIの推進が求められているにもかかわらず、リーダーの意図と実際の行動との間に“ギャップ”があることも明らかになる。

AI倫理の主要な責任者はどの部門か(出典:IBMリリース)

管理職がAI倫理の推進役として認識

  • 回答者の28%が「CEO」、10%が「取締役会」、10%が「法律顧問」、8%が「プライバシー担当役員」、6%が「リスクおよびコンプライアンス担当役員」を、AI倫理に最も責任があると回答した
  • 回答者の66%は、組織の倫理戦略に強い影響力を持つ者として、CEOやその他の役員を挙げた他、半数以上が取締役会(58%)と株主コミュニティー(53%)も列挙した

戦略的差別化要因として認識され、AI倫理メカニズムの導入開始

  • 調査対象のビジネスリーダーの4分の3以上が、AI倫理が組織に重要であるとし、2018年調査時の約50%から上昇した
  • 75%の回答者が倫理を競争上の差別化要因になると考え、67%以上の回答者がAIやAI倫理を重要視し、サステナビリティーや社会的責任、ダイバーシティーとインクルージョンの面で他社をしのぐであろうと回答した
  • 回答者の半数以上が、AI倫理をビジネス倫理のアプローチに組み込む対策を講じたと回答した
  • 回答者の45%以上が、AIプロジェクトのリスクやアセスメント、フレームワーク、監査、レビュー、プロセスなどで、AIに特化した倫理メカニズムを作成したと回答した

AI倫理原則の確保は急務だが進捗状況に遅れ

  • 79%のCEOがAI倫理に取り組む準備を整え、回答した組織の半数以上がAI倫理に関する共通原則を公に支持した
  • 回答した組織の4分の1未満しかAI倫理を運用できておらず、自社の慣行や行動が既定された原則や価値観と一致する(あるいは上回る)ことに強く同意した回答者はわずか20%未満だった
  • 調査対象となった組織の68%は、AIにおけるバイアスを軽減するためには多様かつ開放的な職場環境が重要であると認識している
  • AIチームの多様性は他の組織より低く、女性の割合が5.5倍、LGBTなどの割合が4倍、人種的な割合が1.7倍低い

 本調査はIBMのシンクタンクであるIBM Institute for Business Value(IBV)がオックスフォード・エコノミクス社の協力のもと、北米、中南米、欧州、中東、アフリカ、アジアを含む22カ国の組織の1200人の経営層と、22以上の業種にわたる、事業・技術部門の16役職に対して、2021年の5〜7月に実施された。

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