メディア
特集
» 2022年07月22日 09時00分 公開

資料翻訳に泣いた帝人が“1000人月の作業を削減した仕掛けとは

国外に多くの拠点・支社を擁する帝人の従業員は終わりのない翻訳作業に疲弊していた。AI翻訳サービスを導入したところ、推定で月1000人分もの作業を自動化できたという。とはいえ、ただAI翻訳サービスを利用しただけではない。その効果をさらに向上させた、“ある仕組み”とは。

[白谷輝英,伝]

 国外に多くの拠点・支社を置き、海外企業と頻繁に取引をする帝人は、日々多くの資料を外国語に翻訳している。従来は各部署の業務担当者自身がそれらを翻訳していたため、膨大な作業負担が問題だった。

 帝人は業務効率改善を目指してAI(人工知能)による翻訳サービスを導入したところ、推定で月1000人分もの作業を自動化できた。とはいえ、同社はただAI翻訳サービスを利用しただけではない。大きな効果を創出できた背景には、AI自動翻訳の効果をさらに上げるための、“ある仕組み”があった。

社内資料の英訳に数日かかる 無料翻訳サービスにも危機意識

 帝人は世界的に知られた繊維・化学メーカーだ。現在は繊維事業や化成品事業にとどまらず、医薬品や医療機器、さらに自動車部品、電子材料、ITサービスなどの事業にも乗り出している。

 対外的な挑戦の裏で社内変革も進んでいる。同社は2018年度から変革業務改革推進室を構え、RPAの活用や社内のペーパーレス化支援といった業務効率化を推進してきた。中でも注力してきたプロジェクトの一つにAIを使った翻訳業務の自動化がある。帝人の業務改革推進室を牽引するI氏は、AI翻訳プロジェクト始動のきっかけについて「従業員における資料の翻訳作業の負担があまりに大きかったため」と振り返る。

 帝人グループでは2022年3月現在、国内52社、海外117社を展開中だ。グループ全体の従業員数2万1815人のうち、海外拠点の従業員が1万2161人を占めている。役員のうち4人が外国人ということもあり、経営資料をはじめとするさまざまな社内文書を英訳する必要がある。また、海外企業との取引も年々増加中で、契約書や営業資料などを日本語以外の言語に翻訳する機会も増える一方だった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。