従業員を「資源」と捉える企業に対して「人間」と捉えている企業では、従業員が3.8倍高いパフォーマンスを発揮し、働く時間帯を選択できる従業員は2.3倍も高いパフォーマンスを発揮する可能性があるという。人事の最新トレンドを紹介する。
Gartnerが2022年12月7日に発表した調査結果で、従業員を「資源」ではなく「人間」と捉えている企業では、従業員が高いパフォーマンスを発揮する可能性が3.8倍高いことが明らかになった(注1)。
この結果は、「人的資源」という言葉が時代遅れだと明らかになった他の調査結果とも一致している(注2)。
Gartnerは調査の中で、柔軟な働き方や強力なコラボレーション、共感ベースのマネジメントなど「人間中心」の働き方を提案している。このモデルは「柔軟なハイブリッドワークや出社中心の働き方より優れている」と同社は述べた。
Gartnerのブレント・カッセル氏(HRプラクティス部門 バイスプレジデント)は、この調査結果を発表したブログの中で次のように述べている。「働く場所中心のワークデザインは硬直的であることが多く、疲労を増幅し、パフォーマンスを低下させ、従業員を離反させる。先進的な企業は、個人を従来の慣習に合わせるのではなく、身体的、認知的、感情的な人間の総合的なニーズに合わせてワークフローや仕事の慣例、職場設計をしている」
人間中心の職場を創造するには、従業員は自律性と同時に自分の仕事に対するアカウンタビリティ(説明責任)を必要とする。Gartnerによれば、働く時間帯を選択できる従業員はそうでない従業員に比べ、2.3倍も高いパフォーマンスを達成する可能性があるという。さらに、自律性が高い社員は疲労度が低く、長期にわたってパフォーマンスを維持する。
戦略的な人事部門は、従業員が企業のワークデザインに意見を述べられるようにすることで、エンゲージメントを向上できる。カッセル氏は「ポスト・パンデミックにおける職場環境を、自分たちの活動を見直す機会として捉えるリーダーシップチームは、企業をより高いレベルのパフォーマンスへと導き、人材獲得競争を勝ち抜くチャンスを得ることができる」と述べた。
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