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人事や雇用のキーパーソンに「不足しているもの」とは

潜在的な不況が進む中、会社を引っ張っていく管理職の能力に注目が集まっている。だが、能力不足が目立つ管理職がいるという指摘もある。どうすればよいのだろうか。

» 2022年11月18日 07時00分 公開
[Kathryn MoodyHR Dive]
HR Dive

 経営陣は管理職に大きく依存する傾向がある。潜在的な不況が進む中、従業員を導き、社内のさまざまな取り組みを進めるためだ。成功し続けるためには、経営陣は何に投資すればよいのだろうか。

何が投資対象となるのか

 投資対象は管理職のトレーニングだ。

 パンデミック以降、管理職の裁量が特に重要になっている。例えば、Perceptyxが2021年3月に公開したレポート(注1)によれば、トレーニングを受けていない管理職は誤って女性の昇進候補を見落とす可能性がある。障害者管理雇用者連合(Disability Management Employer Coalition)が2020年に発表した報告書(注2)によれば、一般的に管理職に対して職場の福利厚生やリソース、特に介護者向けの研修が不足しているという。

 監督の役割を担う個人、特にチームを率いるためのトレーニングを受けたことのないフロントラインの管理職には「コーチング」がふさわしいという(注3)。人材育成企業は需要の高まりを受けて、提供するサービスを拡充している。

 例えば、Kantola Training Solutions(以下、Kantola)は経営陣がリーダーを巻き込み、「ダイバーシティー(多様性)とインクルージョン(包括)」(D&I)を維持する方法の一つとして、包括的マネジメントに焦点を当てた新しい管理職トレーニングプログラムを発表した。

 Kantolaの広報担当者は、HR Diveに向けた声明で次のように述べている。

 「(管理職が)変化のための前向きな力となるには、効果を発揮するために必要なツールとガイダンスを備えていなければならない。それらのツールは募集や採用、オンボーディングなどの現実的な問題や、多様なチームの管理や会議の進行、対立解決などの管理実務を扱う実用的で実行可能なものでなければならない」

 D&Iについて管理職が理解することは、特に重要だと結論付ける研究もある(注4)。リーダーが職場のD&Iを向上させるためには、自らインクルージョンのロールモデルとなることが重要だからだ。

 「多くの企業が『ダイバーシティーとエクイティ、インクルージョン』(DEI)の推進に苦慮している。解決策は明らかに管理職をより深くプロセスに関与させることだ」(Kantola)

 雇用主がどのように管理職と関わり、なぜトレーニングへの投資が重要なのか、HR Diveに掲載された記事を要約と併せて集めた。

ビジネスでレベルアップしたいなら、管理職をコーチに変えることだ(英文)
 職務に秀でた従業員が必ずしも優れた管理職になるとは限らない。どうすれば人事部は昇進したばかりで、潜在能力を秘めた従業員を効率的な管理者に変えることができるのか。Forrester Researchが2021年6月に発表したレポートによると、答えはコーチングにある。

管理職に対するトレーニングが欠けていると、女性のテレワーカーは見過ごされるかもしれない(英文)
 職場で女性を支援するために取り組むべき3つの「重要な」要因についてPerceptyxが分析した。優秀な女性を確保し、テレワークの機会を提供し、昇進や報酬に偏りがないようにすることだ。

管理職は介護者をサポートするためのトレーニングが不足している(英文)
 管理職は職場の福利厚生や介護者のためのリソースに関するトレーニングを受けていないことが一般的だ。家族の介護が労働力に与える影響を考えると、改善が必要だ。

指導するための訓練を受けている場合に限り、管理職は従業員の成長を促すことができる(英文)
 コーチングとオンライン学習コースはさほど珍しくない取り組みだが、この2つを同時に実行することは容易ではない。人間的な触れ合いが必要だったり、社会性の高い仕事に従事したりする従業員に求められるスキルは、非常に高度な人間関係能力であり、単純なオンライン学習コースだけでは効果的に教えられない可能性がある。

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