せっかく学んだスキルも、新しい技術の登場によって陳腐化するかもしれない。長く使える、勉強しがいがあるスキルとは何なのか?
われわれが持っているスキルの「陳腐化」が進んでいる。Burning Glass Instituteのプレジデント、マット・シーゲルマン氏は「過去5年間で平均的な仕事のスキルの37%が置き換わっている(陳腐化している)」と述べた(注1)。
「このような驚異的な変化によって『どのスキルに投資すべきか』『どのようなトレーニングを実施すべきか』といった問題が複雑化している」(シーゲルマン氏)
では、これからの社会に必要とされる、トレーニングの投資対効果が高いスキルは何なのか。
CourseraとThe Burning Glass Instituteが2月9日に発表した報告書「Skills Compass Report 2023」(注2)は、リスク管理やプロジェクト管理などのスキルを、堅実な投資対象だとしている。これらのスキルの開発コストは高いが、その分長い間必要とされるスキルだという。
この報告書は、100万人以上のデータと数百万件の求人情報を基に、スキル習得までの時間やスキルの価値、スキルの寿命に基づき、職場で投資すべき上位のスキルを特定したものだ。
経営者はスキルギャップがビジネスの障害になっており、従業員が自分の役割を果たすために必要なスキルを持っていないと指摘するが、実態はどうだろうか。
National Skills Coalition(全米技能連合)とFederal Reserve Bank of Atlanta(アトランタ連邦準備銀行)が2023年2月6日に発表した報告書によると、92%の仕事がデジタル技術を必要としているにもかかわらず、調査対象者の3分の1しか必要なスキルを持ってていないことが分かった(注3)。
企業はこの問題に対処するために、実習生制度や職場復帰プログラム(注4)を立ち上げ、大学との提携(注5)やメンタリングへの注力(注6)も視野に入れている。Association for Talent Developmentの調査では、職場学習への投資は2020年から2021年にかけて増加していることが明らかになった。
出典:As skills become obsolete at a ‘breathtaking’ pace, risk and project management remain solid L&D investments(HR Dive)
注2:The Skills Compass Report 2023
注3:Workers do not have the tech skills needed for today’s jobs, NSC says
注4:PepsiCo expands returnship program after successful first year
注5:University of Texas, Google team up on career training for students
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