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なぜ日本企業はデータ活用がヘタなのか?日本のビジネスリーダー1026人に聞いた

データ活用は企業価値の向上に役立つと考える企業が半数を超えるにもかかわらず、幾つかの事情で活用は進んでいない。どこにボトルネックがあるのか。

» 2023年04月03日 15時15分 公開
[オカダダイスケキーマンズネット]

 「日本のビジネスリーダーの84%は意思決定におけるデータの重要性を認めているが、成果を得るための活用は不十分だ」と感じていることが分かった。なぜデータ活用が思うように進まないのだろうか。

なぜデータ活用の機会を逸してしまうのか?

 セールスフォース・ジャパンは3月29日、日本のビジネスリーダー1026人を対象にしたデータ活用に関する調査結果を公表した。ビジネスリーダーの84%が、自社の意思決定においてデータが重要だと回答し、同55%がビジネス上の会話においてデータが不確実性を減らし、より正確な意思決定を行うことに役立つと考えている。

 具体的に見ていくと、ビジネスリーダーの51%がデータによって人々はビジネスに関連する重要な事項に集中できると考えているし、61%は意思決定の促進に役立つと答えた。53%の回答者は、データがビジネス上の会話において信頼を築くとし、46%がビジネス上の会話における個人的な意見やエゴの影響を最小化することに効果的だと認識している。

 だがデータの利用実態には明らかな乖離(かいり)がある。大多数の企業は、インフレなどの経済状況に合わせた価格設定を決定するためにデータを利用していない。新規市場参入時の戦略に立案にデータを活用する企業は22%に過ぎない。

 データを活用して企業価値を高める機会も逸している。ほとんどのビジネスリーダーが、組織のダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包括性)関連の方針についてデータを活用していない。気候変動の目標策定の指針としてデータを活用しているのは4%に過ぎない。

 なぜデータ活用が進まないのか。回答者の31%がデータに関する理解不足を指摘する。原因はデータが複雑であり、データへのアクセスが不十分だからだ。回答者の28%は、データからインサイトを生み出す能力の欠如を指摘する。23%は、データが多過ぎると感じている。2026年までにデータ量は2倍以上に増えると予測されており、データ量の対処に頭を悩ませている。

 Salesforceのフアン・ペレスCIOは「真のインサイトを導き出す秘訣は、データを分析を融合させることだ。データ、分析、そして必要なデータスキルを組み合わせることで、企業はテクノロジーへの投資を最大限に活用し、ビジネス戦略の推進と顧客の信頼強化につながる機会を見出せる」とコメントする。

 本調査結果は、Salesforceが2022年9月に実施した「Untapped Data Research」を基に、セールスフォース・ジャパンが日本市場の調査結果を踏まえてまとめた。

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