ある調査によると、コロナ禍で人々が「無礼」になったそうだ。「ムカつく同僚」は職場にどのような影響を与えるのだろうか。
調査会社meQuilibriumが5483人の従業員を対象に実施した調査で、4人に1人が同僚から無礼な態度をとられた経験があることが明らかになった。2023年3月30日に公開されたレポートでは、調査対象者の約24%が職場で自分の判断力を疑われたと回答し、約26%が同僚から無視されたと回答した。
「無礼な同僚」は職場にどのような影響を与えるのだろうか。また、どのような対策が考えられるだろうか。
meQuilibriumの最高科学責任者であるブラッド・スミス氏は、職場の不和は企業の評判を下げるだけでなく、部下と上司の間の「信頼を損なう」ことを強調した(注1)。かんしゃくや罵声、怒鳴り声などの深刻な非礼を受けたと回答した従業員の数は、比較的少なかったという。
現代社会では職場の不和がますます問題視されており、平和で、かつ従業員が成長できる職場を作る方法について議論が巻き起こっている(注2)。
コンサルティング企業のKorn Ferryが2021年後半に実施した調査では、回答者の59%が「コロナ禍以前と比べて同僚がより無礼になった」と答えている(注3)。この傾向は顧客に対しても同様のようだ。人材開発サービスを提供するAxonifyは2022年11月、顧客との対立に遭遇する調査対象者が半数以上に上り、「過去最高」になったと報告している(注4)。
「従業員が職場で無礼であったり、攻撃的な行為を受けたりすると、勤務満足度の低下やストレスの増加、生産性の低下につながる」とスミス氏は指摘する。このような環境は欠勤率の上昇だけでなく、離職率の上昇につながるという。
心理的安全性は職場において引き続き重要な要素だ。人材採用プラットフォームのOysterが2023年3月23日に発表したレポートによると、84%の労働者が心理的安全性を職場で最も重視することの一つとしている(注5)。
従業員のエンゲージメントを向上させるために、管理職は何をすればよいのだろうか。meQuilibriumの研究者は「気配り」が大切だと述べる。十分なサポートを受けている従業員は、身体的ストレスに悩まされることが少なく、「朝からやる気が出ない」ようなこともあまりないそうだ。燃え尽き症候群のリスクも58%低下するという。
meQuilibriumの研究者は今回の調査結果を通じて、静かな退職と燃え尽き症候群の関連性を再確認した。若手従業員はストレスによる生産性の低下をより強く感じており、静かな退職を支持する傾向もあると指摘している。
出典:Rude co-workers? 1 in 4 people report workplace incivility(HR Dive)
注2:How to end the Great Resignation, according to MIT researchers
注3:Remote rudeness: Workers less civil now, study says
注4:Customer hostility at an all-time high, but workers are afraid to report it, survey says
注5:Employees say pay raises, psychological safety help keep them focused
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