敷島製パンは、基幹業務を支えるシステムの新しい基盤にOracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)を採用した。クラウド基盤の選択肢は複数ある中、OCIを選んだ理由は。
日本オラクルは2023年5月12日、敷島製パンが企画や開発、製造、販売、物流をはじめとする基幹業務を支えるスマート・パスコ・システム(SPS)の新しい基盤に「Oracle Cloud Infrastructure」(以下、OCI)を採用したと発表した。
敷島製パンは「Pasco」ブランドで知られ、食パン「超熟」などを製造する大手パンメーカーだ。国内12工場(グループ企業2工場含む)、40事業所を持ち、約4000人の従業員が在籍している。
同社は2016年、市場競争力を向上すべく業務やシステムを刷新し、業務の最適化、簡素化を図ることを目的にSPSを構築した。SPSは、全社をつなぐシステムとして情報やデータの活用を支援し、業務効率化と意識改革を推進する役割を担っている。SPSは現在、本番とDR環境を、オンプレミスの「Oracle Exadata」2台と仮想サーバ約480台で構成されている。
今回のシステム基盤更改で複数のクラウドサービスを検討した結果、既存環境からの移行性、DR構成やマルチクラウド環境でのデータ転送や接続を含むコストパフォーマンス、より高度なセキュリティ、安定性を評価し、OCIを選定したとする。データセンターやハードウェアの保守運用コスト、ライセンス費用を削減し、最適なクラウド構成とすることでコスト削減を目指す。
敷島製パンは、システムの性能を維持しながら、既存環境からの移行リスクやコストを低減させるため、データベース基盤の移行に「Oracle Exadata Database Service」を採用した。また、OCIの東京、大阪リージョンを活用したDR構成を構築予定で、2025年5月に新環境への移行の完了を予定する。
敷島製パンの吉安壮真氏(SPS推進部 部長付 課長)は以下のように述べた。
「SPSの新しい環境移行にOCIを採用することで、移行リスクとコストを最低限に抑えながら、既存システムと同等の基盤性能、可用性を確保できます。将来的にSPSと他のクラウド環境とのデータ連携を想定しており、マルチクラウド環境でのOCIの高いコストパフォーマンスやライセンスがクラウドコストに含まれていることは重要な決め手となりました。また、OCIは標準でセキュリティを重視した設計がされているだけでなく、追加で利用可能なサービスも豊富です。新しい環境では、最新の『Oracle Zero Data Loss Autonomous Recovery Service』などの豊富なOCIのサービスを活用することで、システムやデータのセキュリティや可用性をさらに向上できると期待しています」
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