「Microsoft Teams」や「Zoom Meeting」に代表されるWeb会議ツール。使い続けてきたからこそ、不満や使いにくさが見えてくるものだ。
約3年にわたるコロナ禍は、徐々に収束が見え始めてきた。生活とビジネスで多くの課題が顕在化した一方で、企業にとっては業務プロセスの見直しやデジタル化の前進など、苦境に立たされながらも何かを得ることができたのではないだろうか。会議のオンラインシフトもその一つといえる。
キーマンズネットでは、Web会議が日常になった今、ツールの利用状況と課題を探るために2023年3月10〜24日にわたってアンケート調査を実施した。「Web会議の課題とツールの利用状況(2023年)」では、調査結果を基に、勤務先で利用しているWeb会議ツールの製品別利用割合やWeb会議ならではの課題、ツールに対する満足度と不満の声などを紹介した。本稿では、その中でも「ベンダーに対する要望」をさらに深掘りする。
「Web会議の課題とツールの利用状況(2023年)/後編」でも紹介した通り、アンケート調査で「Web会議ツール全般についてベンダーに求めること」をフリーコメント形式で尋ねたところ、音声や映像品質、動作、ユーザーインタフェースに対して改善を望む声が目立った。本編で紹介したユーザーの声以外にも、使い続けてきたことで際立った「使いにくさ」に対する改善要望や、新機能の実装を望む声が多数寄せられた。今回は、それらの一部を抜粋して紹介する。
ユーザーのコメントは、「画面、ファイル共有機能に関する要望」「会議開始前後の設定に関する要望」「ツール全体の設定に関する要望」「実装を望む新機能」の4つに大別できる。特に、実装を望む機能では、うなずけるものもある。
ツールによっては「Microsoft Word」や「Microsoft Excel」などのファイルをチャット欄で共有できず、画面の投影によって共有せざるを得ない場合がある。資料などをまとめて共有できる機能を望む声が上がった。
遅刻を割けて予定時刻よりも時間に余裕を持って入室したはいいが、会議主催者が入室するまでは“待ちぼうけ”状態になるのはままあることだ。開催者の入室を待たずして会議室に入りたい、など会議の開催前後に関する声もあった。
発話中に音量調整が必要になったり、相手がミュート状態のまま話し続けていたりと、Web会議ではしばしばちょっとした混乱が起きることがある。こうした時のために、設定のしやすさに対する意見も挙がった。
Web会議ツールベンダーもこの数年間で改良を重ね、ユーザーの要望に沿うよう思案してきたことだろう。だが、要望は尽きることはなく、更なる改良や機能追加を求める声がある。ユーザーの「こうした機能があれば」という声を以下に抜粋した。
社内のカジュアルな打ち合わせや部署、部門会議のみならず、商談や顧客へのプレゼン、役員が参加する経営会議などもオンラインで実施する機会が増えた。今後は、ツールの基本機能はもとより、Web会議体験の向上がさらに重要になるだろう。こうしたコメントを参考にしながら、会議体に適したWeb会議ツールを選定したい。
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