多くの従業員が昇進の決定に偏見があるのではと疑っているようだ。不満の背景には何があるのだろうか。
Eラーニングに関するレポートを発行するeLearning Industryが2023年6月20日に発表した報告書によると、調査対象となった従業員の4分の3以上が「上層部には偏見がある」と答え、60%が「上層部は自分と同じ意見の人しか昇進させない」と答えている。技術や製造、小売、接客といった業界で働く従業員は、えこひいきや偏見の問題を特に指摘している。
従業員にこういった不満が広がる背景には何があるのだろうか。
調査対象の従業員の41%が「自社では多様性が尊重されていない」と述べており、多様性が確保されていない企業では、昇進や成長における偏見の問題がさらに悪化する可能性がある。
また、調査対象となった従業員の半数以上が「昇進のための学習やトレーニングの機会を所属先が提供していない」と回答している。この傾向は小売業で顕著で調査対象者の60%がそのように答えている。
学習ソリューションを提供するCYPHER Learningが2023年5月に公開した調査によると、学習と開発(L&D)が効果を発揮するために、企業は上位の管理職や経営層だけでなく、あらゆるレベルの従業員が質の高い研修と開発の機会を得られる環境を確保する必要がある(注2)。
別の調査によると、職場における上司と部下の摩擦を防ぐために、特に管理職に対して適切なトレーニングが必要とのことだ(注3)。IT部門を支援するサービスを提供するInfo-Tech Research Groupの報告書によると、テクノロジーマネジャーは技術的な専門知識を基に昇進する傾向にあるが、リーダーシップのトレーニングを受けていないため、従業員の不満を引き起こす恐れがあるという。
出典:Workers say they don’t have access to promotions, training(HR Dive)
注1:The State Of Employee Experience 2023(Elearning Industry)
注2:Effective L&D requires ‘executive-style’ training for all employees, CEO says(HR Dive)
注3:Managers need better training, report says(HR Dive)
© Industry Dive. All rights reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。