生成AI活用が進む中、多くのITベンダーが製品やサービスに組み込もうと取り組みを進めているところだ。Slackに生成AIを組み込むことで、コミュニケーションやワークフローはどう変わるのだろうか。
2023年5月、Slackは「ChatGPT」の大規模言語モデルを活用した生成AI機能「Slack GPT」を発表した。この機能のポイントは2つある。
1つはSlackに組み込まれたネイティブ機能である点だ。例えば、スレッドやチャンネルにたまったメッセージをSlack GPTに要約させることで、スピーディーに内容を把握できる。ストック型の情報集約機能「Slack canvas」に蓄積された情報を使って文書を作成することも可能になる。
もう一つは、ノーコード自動化ツールであるワークフロービルダーによって生成AI機能をワークフローに組み込める点だ。例えば、CRMのデータに基づいて見込み客向けにパーソナライズされたメールを下書きし、Slack canvasで共有するといったワークフローを組むことが可能になる。
Slack GPTの具体的な使い方について、2つのユースケースを例に説明する。
Slackには、簡易的な音声コミュニケーションが可能なハドルミーティング機能がある。Slack GPTによって、ハドルミーティングで議論した内容のサマリーを自動的に生成することが可能になる。ハドルミーティングが終われば、次に何をすべきかのアクションアイテムを作成するだけだ。
会議や商談前の事前準備の時短にも役立つ。例えば、顧客との商談に際して、Slackのチャンネルで議論された商談目的や目標などをまとめたい場合、コマンド欄に「商談目的をまとめて」と入力すれば、Slack GPTがSlack canvasに情報を集約する。生成された文章が長い場合は、「短くする」を押すことで文章を箇条書き形式に要約できる。
このように、生成AIをツールに組み込むことで、今後さらなる業務プロセスの自動化が期待できるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。