あるゼネコンでは、現場のアナログ業務をノーコード開発ツールによって効率化し、一定の成果を出した。現場主導のIT活用を促進するために人材育成にも努めている。ただ、同社のDX担当者はDXに関する“ある悩み”を感じていると吐露する。多くの企業がつまづくその課題とは?
日本百名山踏破に向けて、山仲間と一緒にとある山行へ。頂上近くの山小屋に宿泊し、御来光を拝むべく早朝に登頂することができた。やっぱり山登りは素晴らしい。
登山の目的は人それぞれで、シンプルに健康増進という方もいれば、心のリフレッシュをする方もいることだろう。学生を連れて講義の一環として登っていた団体もいるなど、目的は千差万別だ。私の場合は、百名山を全て踏破するという“緩い”目標を掲げており、できれば体が動くうちになんとか達成したいと意欲を燃やしている。
ま、特に日々鍛えているわけではないけれど。
先日、とあるゼネコンのオフィスにお伺いし、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の取り組みについて取材した。取材対象者はDX推進部門の肩書を持つ方で、「Microsoft Excel」を中心に運用していた現場のアナログ業務をローコード開発ツールによって変革し、一定の成果を出すことに成功したという。しかし、ここにきてDXに関する"ある悩み"を抱えていると、そのDX担当者は吐露する。
同社は、ツールの導入はもちろん、現場主導で業務改革が進められるよう、内製化に向けた勉強会も定期的に実施するなど、DX人材の育成に余念がない。全社的なDX推進は順調に進んでいるようだ。
ただし、DX推進部門にとっては、道半ばの状態であることはよく認識しているという。「あくまで現状は、業務プロセスのデジタル化も含めたデジタライゼーションを実現している段階です。その先はまだ描けていないのが本音です」と正直に話してくれた。
当然ながら、組織やビジネスモデルそのものの変革を目指すDXに向けてDX推進部門が存在しているわけだ。しかし、これまで取材した多くの企業の取り組みも、デジタライゼーションの取り組みが中心で、ビジネスモデルの大掛かりな変革には至っておらず、理想の姿を描ききれていない印象が強い。
DXによって企業価値を高めた企業の1社にドミノ・ピザがいる。テクノロジーを駆使して顧客体験を劇的に改善し、急激に業績を伸ばし続けている。ビジネススクールの題材にも取り上げられるほど有名な事例で、株価の成長率はGAFAを超えるほど。
自社を“ピザ屋”としてではなく、顧客に最適なデリバリーを届ける宅配事業者として位置付けし直し、デジタル技術を駆使して顧客が抱える不満を解消することに成功している。取材の場でも、このドミノ・ピザが話題に上がった。
デジタライゼーションの強力な武器としてローコード開発ツールが大きな役割を果たしていることはご想像の通りだ。筆者が取材させていただいた企業からも評価の声が上がっている。しかし、メディアで紹介されている華々しい事例はごく一部のケースにすぎない。多くのDX推進部門は、新たな時代に適したビジネスモデルへ企業を脱皮させることに苦悩している状況にあるのだろう。
目標が明確になれば、個人や企業の取り組みにかかわらず、その歩みは加速度的に進むはずだ。
目標に掲げている百名山制覇に向けてのステップはあまり明確ではないが、いずれ動きの鈍くなった体にむちを打ち、少しでも動ける体を作り上げるべくランニングを再開することにした。
しかし、久しぶりに夜の帳へ歩を進めてみたが、湿度の高さにうんざりしてしまい、1時間も走り続けられない我が肉体の衰えを再認識する結果に。いずれ厳しい現実を突きつけられたわけだ。
ここはデジタルの力を借りて、先日知り合いから紹介してもらったバーチャルサイクリングのZWIFT(バーチャルサイクリングサービス)でも始めてみるかと思案中だ。体重を減らすか、タイムを伸ばすか、短期的なKPIの設定はさておき、楽しみながら継続して運動し続ける環境を作りたい。
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