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半数の部下が会社を辞める“時代遅れ上司”がやってしまっていること

悪い上司は優秀な従業員を会社から遠ざける。従業員の75%が「職場における最大の問題」とし、半数が「会社を辞める原因になる」という、時代遅れ上司の行動とは。

» 2023年10月16日 07時00分 公開
[Laurel KalserHR Dive]
HR Dive

 悪い上司は優秀な従業員を会社から遠ざけるというが、悪い上司の定義はあいまいだ。上司の良し悪しを判断する基準は部下によって異なるため判断が難しい。

 2023年8月に実施された調査で、従業員の75%が「職場における最大の問題」とし、半数が「会社を辞める原因になる」とする上司の行動が明らかになった。時代遅れ上司がやってしまう“ある行動”とは。

ほぼ半数の部下が会社を辞める上司の行動

 Monster.comが2023年8月に実施した調査によると、従業員の約75%が「マイクロマネジメントは職場における最大の問題だ」と述べ(注1)、半数近い46%が「マイクロマネジメントを理由に仕事を辞めるだろう」と答えた。

 また、約60%が「電子メールで済む内容のミーティングが苦痛」と考え、約33%が「週次の進捗(しんちょく)管理やそのためのミーティングが苦痛」と感じている。また25%以上の従業員は、「チームビルディングのための演習が苦痛」としている。

 柔軟性は依然として優先事項だ。回答者の51%にとってテレワークなど働き方の柔軟性はポジティブなものであり、同じ割合の回答者が「9〜17時までのフレキシブルでない勤務時間は問題だ」と答えた。

 Monster.comの調査は、人事担当者が長い間認識していた問題を想起させた。悪い上司は優秀な従業員を遠ざけるということだ。

 Ten Spotの2022年1月の報告書によると、ほぼ半数の従業員が「職場を辞めたい原因の上司がいる」と回答した(注2)。また、上司を理由に辞めたいと思っている管理職の数はほぼ倍だった。

 最近の調査結果によると、パンデミック後のルールに適応するためのプレッシャーが従業員のメンタルヘルスに影響しており、管理職は部下のメンタルヘルスに大きな影響を与えている(注3)。時代遅れのアプローチをとる管理職は、部下が最高の仕事を成し遂げられるよう支援するのではなく、直接的な指示を出している(注4)。

 一方、研究者によると、十分なマネジメントスキルを持たない管理職に対してコーチングのツールを提供することで優れた能力を発揮できるようになるという。トレーニングを通じて、管理職は部下の感情を確認し、目標を把握して建設的なフィードバックを提供するなど生産的な行動を学べる(注5)。

“嘘つき”採用担当者の実態が明らかに

 Monster.comの調査は不適切な採用プロセスの問題も浮き彫りにした。

 4人に1人の従業員が「給与範囲を開示しない求人の説明文や、休暇期間やハイブリッドワークなどのソフトベネフィットについて交渉できないことが応募を止める理由になる」と述べた。また、3回以上の面接を必要とする採用プロセスや、求職者が上司候補と面接できないプロセスも不満として挙がった。

 求職者にとって採用までのスピードは重要だ。しかし、採用担当者は2023年の初めに、「空席のポジションを埋めるために11週間かかる」と見積もっていた(注6)。また、採用担当リーダーの多くは「採用までの期間の標準は60日」としている。

 また、求職支援サービスを展開するResumeBuilderの調査によると、雇用主が不誠実と知られている場合、求職者は雇用主との関係性の構築をためらうという。他にも、調査に回答した採用担当者のおよそ10人に4人が「採用プロセスでうそをついたことがある」と答え(注7)、4分の3が「面接中にうそをついた」と認め、半数以上が「求人の説明文にうそを書いた」と答えた。

 調査によると、最も頻繁に嘘をついたトピックは、「仕事の責任」「成長の機会」「企業におけるキャリア開発」などであった。しかし、ウソをついても希望通りの結果が得られるとは限らない。採用担当者の半数以上が「採用後1カ月以内にうそがばれたため、退職した従業員がいる」と回答した。

 人事担当者は、Monster.comの回答者が問題としてが挙げた「採用の慣行」にも注意すべきだ。面接時に強制的に課題を強制することや、履歴書に既に記入された情報を再び手作業で入力させることなどが挙げられた。

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