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» 2023年10月31日 08時00分 公開

ERPとBPMの違いとは? 必要になるケースとメリット

ERPを導入しても、企業によっては部分的にBPMも導入しなければならないケースもある。ERPとBPMの違いを理解し、両者を組み合わせて業務を効率化する方法とは。

[Eric St-JeanTechTarget]

 ERPだけでは自社のビジネスプロセスのニーズを満たせない――。ERPを導入してそう感じるのなら、ビジネスプロセス管理(BPM)ソフトウェアの導入を検討すべきかもしれない。

 ERP導入は多くの場合、プロセス自動化と効率性向上を目指す企業が踏む最初のステップだ。それに対してBPMは、企業の持続的な成長を後押しするためのソフトウェアといえる。機能面で重なる点も多い両者だが、一般的にBPMの方がERPよりも深いレベルでビジネスプロセスを改善し自動化できる。これによって、コスト削減や効率性の向上、ミスの発生防止といったメリットが期待できる。

 ERPとBPMにはどんな違いがあるのだろうか。また、どのような状況で企業はBPMの恩恵を受けられるのだろうか?

 ERPは財務や調達、人事など、企業の業務全体を管理することをサポートするソフトウェアだ。企業データを保存する単一のデータベースとして機能し、レポートやダッシュボードなどを通じて業務をサポートする。また、ERPを使うことでユーザーはさまざまなプロセスを自動化でき、時間の節約につながる。

 さらには従業員に統一性のあるUIを提供できるので、全体的なUX(ユーザー体験)の改善も期待できる。

BPMとは?

 BPMはERPの補完役といえる。ERPがあらゆる業務を“広く浅く”こなすのに対して、BPMは特定プロセスを自動化し、それぞれの効率を高めることに重きを置いている。

 BPMはまず、既存のプロセスを取り込んで新たなプロセスをモデル化する。そして、ユーザーが許可を出せば、その新しいプロセスを実行する。また、BPMユーザーに対してプロセスに関するデータを提供するため、そのプロセスのさらなる改良が可能だ。

BPMを導入すべきか否か、企業の判断基準は?

 BPMの導入で一般的なシナリオは、ERPの購入後にBPMも導入するというものだ。

 企業は多くの場合、導入したERPを使ってルーティンプロセスを自動化するが、より複雑なプロセスを自動化するとなるとERPでは不十分なことがある。また、ERPによるプロセス自動化が使いにくいと従業員が不満を抱くケースもある。こうした場合に、企業リーダーがBPMの導入に踏み切ることもある。

 複雑なワークフローの解消や複数部署が関係するデータ処理など、高度な対応が必要な場合はERPよりもBPMの方がうまく処理できることが多い。また、BPMはプロセス改善にも効果を発揮するので、導入すればプロセスの定義がより明確になる。

 ERPとBPMは相互にそれぞれのシステムデータを使用できるため、両者を併用しても作業に大きな影響はないといえる。

ERPとBPMを連携させることで期待できる業務効率向上

 ERPとBPMの連携で威力を発揮する一例が「ベンダーからインボイス(請求書)を受け取る際のプロセス」だ。BPMを使用している企業であれば、ベンダーがインボイスを提出するためのポータルを先方に提供でき、これによって最初のステップで必要なデータを全て収集できる。

 BPMはERPと統合されているため、BPMのユーザーは未決済のインボイスや支払い条件といったベンダーの詳細をERPからも確認できる。これらの情報を得た後で、ユーザーはインボイスに記載されている国や請求額などの情報に基づいてそのインボイスを然るべき部署に送付できる。

 従業員は社内規則に従い、全てのインボイスがルールに沿うように注意しなければならない。その一方でベンダーへの支払いが遅れないようにするには、このプロセスをなるべく速やかに処理する必要がある。この両立を可能にするのがBPMだ。

 BPMはまた、承認業務を1人ではなく複数の従業員に割り当て、エスカレーション(上長への業務移管)を自動化するといったこともできる。

 例えば、従業員が会社の医療給付に変更を加えようとしているが、これには福利厚生スペシャリストの承認が必要だとする。大企業では変更を承認する権限を持つスペシャリストが2人以上いることもあるが、保留中の要承認案件が全てのスペシャリストに通知されるようBPMを設定すれば、速やかに承認が得られるだろう。

 加えて、ある担当者が自身のタスク処理に時間を要しているときには、エスカレーションの自動化が役に立つ。BPMなら所定の期間が経過した後にリクエストが別の従業員に送られるようにワークフロープロセスを構成できる。

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