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「売り上げの伸びが悪い」の特効薬? 「Slack」の新機能とは

Sales Cloudの情報をSlackに統合することで、商談状況の確認や更新の作業を効率化する「Slack Sales Elevate」。製品概要とセールスフォース・ジャパン社内での活用事例を紹介する。

» 2023年11月15日 08時00分 公開
[平 行男合同会社スクライブ]

 SlackとSalesforce は、2023年8月に「Slack Sales Elevate」を発表した。Sales Cloudの情報をSlackに統合することで、商談状況の確認や更新の作業を効率化する。

 Slack Sales Elevateを導入して1カ月後にSalesforceの営業部に感触を尋ねたところ、約9割の営業マネジャーが「商談の最新状況を把握しやすくなった」と回答したという。また、同じく約9割の営業担当が「商談更新が簡単になった」と答えた。どのような機能なのか。その概要とSalesforceでの活用事例を紹介する。

営業部の受注プロセスを丸裸にする「Slack」の新機能とは

 チャットツールとしてシェアを拡大してきた「Slack」だが、近年はさまざまなツールとの連携性が向上し、情報の入力、出力のためのインタフェースとしても存在感を示している。

 セールスフォース・ジャパンの香川 敬氏(Slack 事業統括本部 エンタープライズ第二営業本部 第一営業部 部長)は、Slackの全体像を次のように説明する。

セールスフォース・ジャパン 香川 敬氏

 「Slackは2600以上のサードパーティーアプリケーションと、15以上のSalesforceのクラウドサービスと連携できる。ノーコード/ローコードの『ワークフロービルダー』で業務自動化にも取り組める他、ハドルミーティングやクリップ、『Slackコネクト』といったコラボレーションを深めるためのツールも充実させてきた。Slackを利用することで、チャンネルやcanvasにナレッジが蓄積され、会社の資産として活用できる」 

 次に香川氏は、2023年9月にslackと発表した「Slack Sales Elevate」について紹介した。Sales Cloudの情報をSlackに統合することで、Slackで商談情報を確認、更新したり、商談の成約時やパイプライン更新時に通知を受け取ったりできる機能だ。

 Slack Sales Elevateは幾つかの機能から成る。「セールスダッシュボード」はSales Cloudの商談や通知などの情報を一元管理できるメニューだ。「KPIs」は、個人とチームのKPIの進捗をダッシュボードに表示させるカスタムビューを指す。「商談リスト」は、Slackにスプレッドシートのようなリスト形式でSales Cloudの商談情報を表示させる。「セールスアラート」は新規商談の作成や、フェーズ変更、金額変更などがあったときに通知を受信できる機能で、複数のチャンネルに通知することも可能だ。これらの機能は、モバイルのSlackアプリケーションでも利用できる。

Slack Sales Elevateの製品概要(出典:セールスフォース・ジャパンの提供資料)

 「Sales Elevateで商談情報の管理工数を削減でき、パイプラインの精度も向上させられる。マネジャーがリアルタイムに商談の通知を受けるように設定すれば、担当者への即時フォローが可能になる。通知をチャンネルに飛ばし、関係者間で情報共有することで、チームセリングが強化され、成約率向上につながる」(香川氏)

Sales Elevateで営業担当者の9割が「商談更新が簡単になった」

 セールスフォース・ジャパンではどのようにSlack Sales Elevateを活用しているのか。同社の作田 遼氏(執行役員 コマーシャル営業 ストラテジック営業本部 本部長)が事例を解説した。

セールスフォース・ジャパン 作田 遼氏

 作田氏はSales Elevateを活用し、重要なKPIの指標を週に一度、Slackに通知させるようにしている。Sales Cloudのダッシュボードは毎日確認しているが、Slackで通知を受け取ることで、「少しパイプラインの伸びが悪い」「今期の売上の伸びに影響が出ている」といったことにいち早く気付き、プロセスマネジメントを徹底できるようになったという。

 「受注だけを見るのではなく、受注に至るまでの小さなゴールを幾つも設定して、そのプロセスをマネージャーもしくはチームで支援することで、受注率は上がる。プロセス管理をすることで、どのフェーズでどのようなアクションを取ればいいのかが分かれば、少し先の未来も予測できるようになる」

Sales Elevateによる通知(出典:セールスフォース・ジャパンの提供資料)

 同社では、営業施策の一つとして、営業本部を「三国志」になぞらえた魏(ぎ)、呉(ご)蜀(しょく)の3チームに分け、ゲーム感覚で売上を競い合う取り組みをした。その進捗(しんちょく)管理にSlack Sales Elevateが役立ったという。

 「Slack画面のSales Elevateのボタンをクリックすると、魏呉蜀のチーム別にパイプラインや売上予測の状況を表示したダッシュボード画面を見られる。レポート名称を入力して検索するだけで異なる情報を表示させることも可能だ。Sales Elevateを使うことで、この施策でどれくらいの売り上げが生まれているのか、どの商談がどれだけ進捗しているのかをタイムリーに把握できる」

 作田氏は約50人の営業担当をマネジメントしているが、Sales Elevateの通知を活用することで、重大な変化を漏れなく把握できるようになり、的確な指示を出せるようになったという。

Sales Elevateのダッシュボード(出典:セールスフォース・ジャパンの提供資料)

  「Sales Cloudは多くの情報を表示させることができるが、マネジメントにおいてはその中でも商談のフェーズや完了予定日、金額の3項目を抑えることが重要だ。Sales Elevateを使うことで、この3項目をリアルタイムに確認、メンテナンスできるようになり、マネジメントがしやすくなった」(作田氏)

 魏呉蜀のチーム対抗戦では、Slackで受注を祝福するチャンネルを設置し、Sales Elevateの通知を飛ばすといった工夫もした。通知情報について営業メンバー同士が称賛し合うことで、当該担当者のモチベーション向上につながるだけでなく、部門を超えたナレッジの共有につながった。

 「営業活動においては、施策を考え、実行した後に、その施策をモニタリングする必要がある。Sales Elevateを使えば、数クリックだけで施策をモニタリングできる。うまくった商談はもちろん、うまくいかなった商談もメンバー間で共有し、そこから何らかの気付きを得る。そんな文化がSlackによって醸成されるようになった」と作田氏は締めくくった。

本記事は、セールスフォース・ジャパンが2023年10月18日に開催したイベント「Sales Leaders Circle」の内容を編集部で再構成した。

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