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従業員の成長を促す“アジャイル”なパフォーマンスマネジメント 従来との違いは?

アジャイルなパフォーマンスマネジメントは従業員のエンゲージメントやモチベーション、リテンションを向上させる可能性がある。従来のパフォーマンスマネジメントと比較から、その違いが分かる。

» 2023年11月16日 07時00分 公開
[HR Dive]
HR Dive

 パフォーマンスマネジメントシステムは、従業員の過去の成功を測定するだけでなく、将来のスキル開発に役立つ優れたツールになる。過去を振り返るだけでなく、未来の計画を支援するパフォーマンスマネジメント戦略は、持続的な改善の文化につながる。

 人事チームの多くは、パフォーマンスプロセスをより効果的で魅力的なものにしたいと考えているが、プロセス全体の一新は決して容易ではない。そこで、アジャイルアプローチを採用することで、一度に全てを再構築するプレッシャーを感じることなく、時間をかけて有意義な変更に取り組める。

 パフォーマンスマネジメントに対するアジャイルアプローチは(注1)、不確実性や変化のある状況でも、組織の応答性や適応性、実行力を向上させて、有利なポジションの獲得に役立つ。以下では、アジャイルなパフォーマンスマネジメントの戦略を構成する要素を解説する。

従来のパフォーマンスマネジメントとは何が違うのか?

 アジャイル・パフォーマンスマネジメントを構成する要素を深く掘り下げる前に、このアプローチが従来のプロセスとどのように異なるのかを理解する必要がある。

従来のパフォーマンスマネジメント

 従来の年次のパフォーマンス評価は、しばしばコンプライアンスに関連付けられ、従業員のパフォーマンスを把握するために設計されていた。このシステムは高いレベルの従業員には役に立つが、硬直的であり、従業員の成長を支援したり、明確な成長の展望を提供したりする余地に欠けていた。

アジャイル・パフォーマンスマネジメント

 一方、アジャイル・パフォーマンスマネジメントは、継続的なフィードバックモデルを採用している(注2)。したがって、正式なレビューの内容は同僚からのリアルタイムのフィードバックに基づくため、不意打ちになることがない。また、従業員が上司と協力して、進むべき最適な道を決定するための複数のタッチポイントを提供できる。

パフォーマンスの工程でどの位置にいるのか

 全ての企業が全面的な変革に対応できるわけではない。モジュール化されたアジャイルアプローチが、パフォーマンスマネジメント戦略の構築に役立つ。基本単位となる特定の要素から始めることで、迅速に成果を上げられたり、チャンスのある重要な分野に集中したりできる。

 しかし変更する前に、既存のパフォーマンスプロセスがどの段階にあるのかを判断する必要がある。正式なアプローチが不足していたり、既に実用的なシステムがあったりする場合でも、パフォーマンスマネジメントに対するアプローチを継続的に最適化し、進化に使用できるさまざまなレバーや基本要素がある。主な段階は以下の4つだ。

  • 始まり
  • 努力
  • 成功
  • 最適化

 現在どの段階にあるのかを把握し、自社の従業員を理解することで、最も効果的な基本要素を特定し、優先順位を付けられる。1度に1つの要素に取り組むことで、パフォーマンスマネジメントの全面的な見直しに伴うプレッシャーやストレスを回避できるのだ。

 あなたの企業の既存のパフォーマンスプロセスを最もよく表しているのはどの段階だろうか。各段階の特徴については、最新のebookを確認してほしい(注3)。

アジャイル・パフォーマンスマネジメントのためのガイドライン

 世界が急速に変化し続ける中、ビジネスの成功には俊敏性が不可欠である。パフォーマンスマネジメントにアジャイルアプローチを採用することは、従業員のエンゲージメントやモチベーション、リテンションを向上させる可能性があり、最終的には、より良いパフォーマンスを発揮する組織の実現につながる。

 あなたの企業がどの段階にいるかにかかわらず、パフォーマンスマネジメントは設定のみで上手く機能するものではない。パフォーマンスマネジメントプロセスの影響を定期的に評価する時間を取ることが重要だ。

 プロセスを適応させ、洗練させる際は以下の原則を念頭に置こう。

  • パフォーマンスは人材を育成し、成長させるものでなければならない
  • レビュープロセスは公正かつ客観的でなければならない
  • パフォーマンスマネジメントは関係者全員にとって分かりやすいものでなければならない

 これらの指針を既存のパフォーマンスマネジメントプロセスにどのように適用するかについて詳しく知りたい場合は、アジャイル・パフォーマンスマネジメントに関する当社のHRガイドを確認してほしい(注4)。

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