燃え尽き症候群はメンタルヘルスの問題にも関係があるため、早急な対応が必要だ。企業が取り組むべき本質的な対応とは。
従業員の燃え尽き症候群は、「不安」や「抑うつ」「睡眠障害」といったメンタルヘルスの問題にも関係するため、早急な対応が必要だ。
企業によっては、セルフケアアプリやセラピーサービスの提供といった個別のアプローチで解決を試みるところもあるが、従業員の望む対応とは異なるという。企業が取り組むべき本質的な対応とは。
Aflacの2023年10月18日の報告によると(注1)、米国の従業員の半数以上が燃え尽き症候群を経験しており、ほぼ同数が「雇用主が自分とその幸福を気にかけているという確信が持てない」という。
雇用主のケアに対する従業員の信頼感は大幅に低下しており、2021年には59%だったものが、2023年には48%になった。Aflacのジェリ・ホーソーン氏(シニア・バイスプレジデント兼最高人事責任者)は次のように述べた。
「雇用主はこれらの課題に立ち向かい、事態を好転させることができる。フレックスタイムなどのワークライフバランスの特典に加えて、メンタルヘルスツールを含む福利厚生の提供は、従業員の満足度や定着率の向上、採用に役立つ」
全米で実施された1200の雇用主と2000の従業員を対象とした調査では、従業員の57%が「現在少なくとも中程度の燃え尽き症候群を経験している」と述べた。彼らは職場のストレスを要因として挙げ、「仕事量の多さ」が最も大きなストレスになっている。
燃え尽き症候群の程度が高いと回答した人のうち89%が「過去1年間に『不安』や『抑うつ』『睡眠障害』などのメンタルヘルスの問題を経験した」と回答した。
また、一部の従業員は、「他の従業員よりも燃え尽き症候群の程度が高い」と回答した。Z世代の約67%およびミレニアル世代の約64%が「中程度から高い程度の燃え尽き症候群に直面した」と答えた。また、女性の75%および男性の58%が燃え尽き症候群に陥っていると報告した。
報告によると、従業員は雇用主に対して「従業員の健康に気を配り、燃え尽き症候群を防ぐためのリソースを提供してほしい」と望んでいる。雇用主に対する従業員の信頼は低下しており、多くの人が転職を検討している。53%は「給与は低いが福利厚生に優れた職に就く可能性がある」と述べた。
ホーソーン氏は次のように述べた。
「雇用主は、予算を意識しながら従業員が求めている福利厚生を提供することで、競争力を維持したいと考えている。また、『雇用維持のプレッシャー』や『従業員の給与に対する控除額の増加』『健康保険料の従業員負担の増加』などで、従業員に費用を負担させるという難しい決断に直面している」
Mind Share PartnersとQualtricsの報告書によると、従業員はメンタルヘルスを改善するために、セルフケアアプリやセラピーサービスといった個別のアプローチではなく、企業文化の変化を求めているという(注2)。
ダイバーシティーや公平性、インクルージョンの取り組みは特に役立つようで、「雇用主が自分のアイデンティティーをサポートしてくれる」と回答した従業員は、より積極的に仕事に取り組み、雇用主に対して献身的であった。
人的資本管理のプラットフォームを運営するisolvedの報告書によると、雇用主は、従業員の体験を改善し、経済的な安定をサポートすることで(注3)、燃え尽き症候群に対処できる可能性があるという。これには、従業員の業務に対して『市場価値と同等の対価を支払うこと』や『給与に関する透明性の確保』『内部コミュニケーションの改善』『従業員に昇進の機会を与えるキャリアパスの構築』などが含まれる。
出典:As more workers report burnout, fewer believe their employer cares about them(HR Dive)
注1:Workforce retention on the line as employers battle employee burnout(CISION)
注2:Employees say they prefer culture change over self-care apps to improve mental health(HR Dive)
注3:Burnout is unprecedented. Here’s what employers can do.(HR Dive)
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