「Microsoft 365」は利用ユーザーが多いからこそ、課題も上がりやすい。「『Microsoft 365』と『Google Workspace』の利用状況(2024年)」の調査を基に、課題をプラン別に整理した。
キーマンズネットのレギュラーコーナー「IT担当者300人に聞きました」では、IT製品別の導入状況や、運用の課題、製品に対する満足度など、アンケート調査を基に読者企業の実態を紹介している。
アンケート調査では、IT製品に対するリアルな口コミや不満が寄せられることも多い。2024年の1月に公開した「『Microsoft 365』と『Google Workspace』の利用状況(2024年)」(実施期間:2023年12月8日〜12月22日、回答件数:311件)で明らかになったユーザーの課題を紹介する。
本編で伝えた通り、アンケート回答者に対して、現在、勤務先で利用しているオフィススイートを尋ねた結果「Microsoft 365」が48.2%と半数を占めた。
満足度を聞いたところ、「満足」が15.0%、「まあ満足」が61.0%を合わせて76.0%が満足だと答えたが、一部の不満ユーザーの声も聞こえてきた。今回は、Microsoft 365ユーザーから寄せられた不満のポイントをプランごとに不満を分類し、どのような傾向があるかるのかを見ていく。
Business Basicは、「Microsoft 365」の一般企業向けプランのうち、最も料金が安いプランだ。他のプランよりは手頃な価格で、Officeアプリに加えて、「Microsoft Teams」や「Microsoft Outlook」といったコミュニケーションツールや「Microsoft OneDrive」「Microsoft SharePoint」といった情報共有ツールなど、Microsoft 365の基本的なアプリケーションを利用できる。一方で、デスクトップ版のアプリケーションを利用できないので、UIに不満を抱える声もあるようだ。
Standardプランは、Microsoft 365 Business Basicの上位のプランだ。デスクトップ版アプリが利用できる、Teamsのウェビナーを開催できる、「Microsoft Publisher」「Microsoft Access」が利用できるなどの機能面の違いがある。月額当たりの料金は約2倍になるので、価格面の不満の声も上がった。また、機能が増える分、使いこなすことが難しいという声も寄せられた。
Microsoft 365 Apps for businessはオフィス系アプリのみが含まれているプランだ。料金はMicrosoft 365 Business Basicよりも高い。「Publisher」や「Access」が利用できる一方で「Teams」や「SharePoint」が利用できないので、その点に不満を感じるユーザーもいるようだ。
Business PremiumはBusiness Standardの機能に加えて、モバイル端末管理ツールの「Microsoft Intune」や「Azure Information Protection」が加わる。このプランに関しては、利用人数がそれほど多くないこともあり、目立った不満は寄せられていないが「Microsoft 365」全てのプランに共通するようなコメントが見られた。
E3/E5の二つの上位プランは大企業向けとして提供されており、Microsoft 365のほぼ全ての機能が含まれる。E5になると、より高度なセキュリティ/コンプライアンス機能が付属する他、「Power BI Pro」のライセンスやクラウドPBXが利用可能だ。
これらの上位プランになると、多機能な故に「機能が多いため使いこなせない」「コストを安くしてほしい」などのコメントが多くなる傾向にある。また、ライセンス料金が高い分、「Copilot for Microsoft 365」を無償で使えるようにしてほしいなどの要望もあった。
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