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「ログイン処理、癖が強い……」Microsoft 365プラン別に見る課題まとめ

「Microsoft 365」は利用ユーザーが多いからこそ、課題も上がりやすい。「『Microsoft 365』と『Google Workspace』の利用状況(2024年)」の調査を基に、課題をプラン別に整理した。

» 2024年02月02日 12時16分 公開
[キーマンズネット]

 キーマンズネットのレギュラーコーナー「IT担当者300人に聞きました」では、IT製品別の導入状況や、運用の課題、製品に対する満足度など、アンケート調査を基に読者企業の実態を紹介している。

 アンケート調査では、IT製品に対するリアルな口コミや不満が寄せられることも多い。2024年の1月に公開した「『Microsoft 365』と『Google Workspace』の利用状況(2024年)」(実施期間:2023年12月8日〜12月22日、回答件数:311件)で明らかになったユーザーの課題を紹介する。

「Microsoft 365」は多くのユーザーが活用するからこそ不満も生まれる

 本編で伝えた通り、アンケート回答者に対して、現在、勤務先で利用しているオフィススイートを尋ねた結果「Microsoft 365」が48.2%と半数を占めた。

 満足度を聞いたところ、「満足」が15.0%、「まあ満足」が61.0%を合わせて76.0%が満足だと答えたが、一部の不満ユーザーの声も聞こえてきた。今回は、Microsoft 365ユーザーから寄せられた不満のポイントをプランごとに不満を分類し、どのような傾向があるかるのかを見ていく。

■Microsoft 365 Business Basic

  Business Basicは、「Microsoft 365」の一般企業向けプランのうち、最も料金が安いプランだ。他のプランよりは手頃な価格で、Officeアプリに加えて、「Microsoft Teams」や「Microsoft Outlook」といったコミュニケーションツールや「Microsoft OneDrive」「Microsoft SharePoint」といった情報共有ツールなど、Microsoft 365の基本的なアプリケーションを利用できる。一方で、デスクトップ版のアプリケーションを利用できないので、UIに不満を抱える声もあるようだ。

  • UIがよく分からない。パッケージ版の方が分かりやすい。
  • 社内のITレベルが高くないので、せっかくの機能を生かし切れていない
  • アプリケーション群の機能のつながりが理解できない

■Microsoft 365 Business Standard

 Standardプランは、Microsoft 365 Business Basicの上位のプランだ。デスクトップ版アプリが利用できる、Teamsのウェビナーを開催できる、「Microsoft Publisher」「Microsoft Access」が利用できるなどの機能面の違いがある。月額当たりの料金は約2倍になるので、価格面の不満の声も上がった。また、機能が増える分、使いこなすことが難しいという声も寄せられた。

  • 機能が多すぎて、分かりにくい
  • たくさんのアプリが用意されているが活用方法がよく分からない
  • 大した機能も追加されないので安定化に努めてほしい
  • サービス名など導入当初は混乱した。慣れるまで非常に分かりにくい仕様で、ユーザーに対して不親切
  • 特にTeamsのソフト自体が重く、不具合が多い。操作の端々に感じられるMicrosoftに囲い込もうとする仕様も不満

■Microsoft 365 Apps for business

 Microsoft 365 Apps for businessはオフィス系アプリのみが含まれているプランだ。料金はMicrosoft 365 Business Basicよりも高い。「Publisher」や「Access」が利用できる一方で「Teams」や「SharePoint」が利用できないので、その点に不満を感じるユーザーもいるようだ。

  • Teamsが含まれない。とはいえ、上位プランに含まれるアプリに不要なものがあり、金額に見合わない
  • Microsoft365の上位プランを使わせようとする挙動(ライセンスがないのにアプリが入ってくる)のが不満
  • Google系のサービスと比べて同時編集機能が使いにくい
  • ログイン処理に癖があり、複数アカウントを切り替えて使うのに向いていない

■Microsoft 365 Business Premium

 Business PremiumはBusiness Standardの機能に加えて、モバイル端末管理ツールの「Microsoft Intune」や「Azure Information Protection」が加わる。このプランに関しては、利用人数がそれほど多くないこともあり、目立った不満は寄せられていないが「Microsoft 365」全てのプランに共通するようなコメントが見られた。

  • 時に勝手にアップデートされるたびに画面の体裁やレイアウトが変わったりする
  • パッケージ型版とMicrosoft 365版の仕様を合わせてほしい

■Microsoft 365 E3/E5

 E3/E5の二つの上位プランは大企業向けとして提供されており、Microsoft 365のほぼ全ての機能が含まれる。E5になると、より高度なセキュリティ/コンプライアンス機能が付属する他、「Power BI Pro」のライセンスやクラウドPBXが利用可能だ。

 これらの上位プランになると、多機能な故に「機能が多いため使いこなせない」「コストを安くしてほしい」などのコメントが多くなる傾向にある。また、ライセンス料金が高い分、「Copilot for Microsoft 365」を無償で使えるようにしてほしいなどの要望もあった。

  • コストが高すぎるため、低くすることで半永久的に契約継続できるようにしてほしい
  • 各アプリケーションの連携性が悪い
  • AIを一部無償で使えるようにしてほしい

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