生成AIの利用率は伸び続けており、半数以上のプロフェッショナルが職場でChatGPTやその他のAIツールを使用している。業界別、世代別の利用率を確認してみよう。
企業評価のためのレビューサイトが2024年1月25日(現地時間)に発表したレポートによると(注1)、職場で「ChatGPT」や同様のAI(人工知能)ツールを使用しているプロフェッショナルの割合は、1年間で2倍以上に増加している。
どういった人が生成AIを職場で活用しているのだろうか。業界別、世代別の利用率を確認してみよう。
ChatGPTがリリースされた当初、ChatGPTや同様のAIツールを使用しているとプロフェッショナルは27%だった。2023年1月には、利用率は43%に跳ね上がった。企業評価のためのレビューサイトである「Glassdoor」のデータによると、現在、利用率は62%まで上昇している。
Glassdoorの経済調査チームは「ChatGPTがインターネットと職場に旋風を巻き起こしたのは2022年の11月である。まだ1年しか経過していないとは信じられない」と書いている。
Glassdoorが5017人のプロフェッショナルを対象にした調査で、「ChatGPTやその他のAIツールを業務で使ったことがあるか」と尋ねた。その結果、AIツールの利用率が最も高かったのはマーケティング業界であり、77%のプロフェッショナルが「ChatGPTやAIツールを仕事で使ったことがある」と回答し、コンサルティング業界の71%、広告業界の67%が続いた。
一方、AIツールの利用率が最も低かったのは保険業界で、「利用したことがある」と回答したのは33%だった。次いで法律業界が38%、医療業界が40%だった。
また、66%の男性と57%の女性が「職場でAIツールを使っている」と述べており、男性の方が利用率が若干高いようだ。世代別に見ると、Z世代の66%、ミレニアル世代の63%、X世代の57%が「職場でChatGPTを使用している」と回答している。
人材採用企業であるRobert Halfの調査によると、技術そのものに対する不安が続いているにもかかわらず、AIに対する従業員の信頼は高まっているようだ(注2)。回答者は「AIツールは時間のかかる作業を自動化し、業務効率を高め、生産性を向上させることができる。しかし、職場での使用には明確なガイドラインとリーダーシップの柔軟性が必要だ」と述べている。
一方で、コンサルティングファームであるOliver Wyman Forumのレポートによると、AIツールが急速に導入されているにもかかわらず、生産性の大幅な向上にはつながっていない(注3)。従業員の半数以上が職場で生成AIを使用しているが、新しい技術の恩恵を最大限に得るために、まだ多くの従業員がトレーニングを必要としている。
人事の観点からは、AIツールは、パフォーマンスレビューやオンボーディング、人材のスクリーニングなど、幾つかのタスクを効率化できる(注4)。人事チームは、AIに解決してほしい問題を明確に定義し、プロセスについて試行錯誤しながらタスクを自動化できるだろう。
出典:ChatGPT usage at work has more than doubled in a year(HR Dive)
注1:Conversation Starter: ChatGPT Usage in the Workplace More than Doubles Year Over Year(GLASSDOOR)
注2:Worker confidence in AI may be growing despite unease about the tech(HR Dive)
注3:Generative AI adoption at work hasn’t yet led to productivity gains, report says(HR Dive)
注4:How AI can save HR time on the job, according to one practitioner(HR Dive)
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