光回線が一般的になった今、ブロードバンドという表現は過去のものとなった。ところが、超爆速のブロードバンドが誕生するかもと話題だ。
2024年の今となっては光回線(光ファイバー回線)が一般的で、「ブロードバンド」という言葉を耳にすることがめっきり減った。2000年代初頭にADSLが登場したことで、ダイヤルアップ接続やISDN接続と比べるとインターネット通信は大幅に高速化した。
だが、ここに来て「ブロードバンド復活するかも」と騒がれている。何を今さら……と思うだろうが、本当に「新ブロードバンド時代」が到来する可能性があるという。その理由は?
家庭向け光回線でも最高通信速度が下り10Gbpsをうたうサービスは珍しくはなくなった。もちろんそれは理論値であって、実測値は2Gbps前後に落ち着くことが多い。なお、2023年7月時点で、日本における光回線の平均速度は379.8Mbpsという調査結果があるそうだ。
ブロードバンド時代のADSLが速くて8Mbps〜24Mbps(いずれも理論値)だったことを思えば、今の通信速度は飛躍的に向上したと言える。そんな中、通信速度をさらに高速化した「光回線のブロードバンド」が誕生するかもしれないとのうわさが浮上している。
2024年3月29日、米国のTechメディア「Gizmode」が掲載した記事によれば、301Tbpsの通信が可能になるというのだ。
記事によれば、英国アストン大学の研究チームは日本の情報通信研究機構(NICT)や、米国のNokia Bell Labsなどの協力を得ながら、新たな光ファイバー通信を開発したという。一般的に光ファイバー通信では「Cバンド」や「Lバンド」と呼ばれる波長帯域を利用するのだが、これに加えて研究チームは「Eバンド」と「Sバンド」を利用する通信技術を開発した。
4バンドをフル活用することで、研究チームは301Tbpsの通信に成功した。30万1000Gps、つまり10Gbpsの3万1000倍もの通信速度が実現可能になるということだ。まさに「光回線のブロードバンド」と言える新技術だ。
この通信技術のメリットは、理論的には既存の光ファイバーをそのまま利用できることだ。ADSLから光ファイバーへの過渡期にあった当時は光ファイバー回線を新たに敷設する必要があったが、新ブロードバンド技術はそうしたことは不要だ。規格に沿った新たな設備さえあれば、ユーザーは爆速インターネットを体験できる。記事では実現可能な時期は明示されていないが、既存の技術の応用となれば決して遠い未来ではないかもしれない。
ブロードバンド時代の到来によって、インターネットの存在は身近になった。光ファイバー回線のブロードバンド化によっても、新たなインターネットの地平が開くかもしれない。
上司X: 光ファイバー回線のブロードバンドが実現するかもしれない、という話だよ。
ブラックピット: そういえば、確かに最近は「ブロードバンド」って言わなくなりましたね。
上司X: 過去にあった低速回線、つまり「ナローバンド」ありきの「ブロードバンド」だからね、今ではわざわざ「ブロードバンド」なんて言う必要もないってことだな。
ブラックピット: そりゃそうですね。
上司X: 今は、回線速度は高速なのに一般家庭向けのWi-Fiルーターがボトルネックになっていることもあったけど、だんだん解消しているからね。
ブラックピット: Wi-Fi 6Eで9.6Gbos、Wi-Fi 7だと36Gbpsとかですよね。
上司X: 理論値だとそうだね。実際のところ、スマホやPCで動画を見るぐらいの使い方だとそれほど超速である必要もないんだろうけど、家族とか複数人が回線を使う場合だと速度に余裕があるほど快適なのは間違いないね。
ブラックピット: まあ、僕なんて一人暮らしのぼっち生活ですから、自宅で50Mbpsぐらい出れば超快適ですけどね。動画なんかもそれで十分です。
上司X: いやほら、ガチのオンラインゲームなんかは高速で安定しているのが必須だったりするじゃないか。……え? 友達がいないからオンライン対戦なんてしないって? ……そうか。ともかくだ、新たなブロードバンドがもしかしたらキミのネット生活を一変させるかもしれないじゃないか。楽しみに待とうじゃないか。
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。