ハイブリッドワークが普及し、ビデオコミュニケーションが増えても、デスクトップ電話を好んで使用する従業員がいる。デスクトップ電話を使いこなすための5つのポイントを紹介する。
マーク・トウェイン氏の言葉を借りると、固定電話やオフィス用のIP電話(VoIP)などを含むデスクトップ電話の消滅に関するうわさはかなり誇張されたものだ。テレワークが急速に普及し、ビデオを活用する機会が増加しているにもかかわらず、デスクトップ電話システムの導入は、コミュニケーション環境において依然として重要だ。
実際、調査企業であるMetrigyが世界395の組織を対象に実施した2021年の調査によると、ほぼ3分の1の企業がデスクトップ電話の利用拡大を計画している。この調査報告「ユニファイドコミュニケーション管理とエンドポイント」では、回答者の約4分の1が「従業員はヘッドセットよりもデスクトップ電話を好む」と述べ、約23%が「デスクトップ電話を希望する遠隔地の従業員に機材を提供している」ことが明らかになった。デスクトップ電話を好む回答者はさまざまな理由を挙げている。
その中には、「干渉やBluetooth切断のリスクがなく音質が良いこと」「共有ラインの表示やスピードダイヤルボタンなどの機能が利用できること」「古き良きメッセージがある旨を示すインジケーターランプの存在」などがある。デスクトップ電話は、個人的な使用だけでなく、会議室や共有スペース、受付デスク、コールセンターなどの場所においても依然として重要な役割を果たしている。
デスクトップ電話システムの導入を成功させるには、以下の5つが重要だ。
デスクトップ電話を許可しなければ、サポートについて心配する必要もない。しかし、多くの従業員が依然として電話を希望していることを考えると、利用可能なオプションとしてデスクトップ電話を提供することは理にかなっている。
従来、デスクトップ電話は有線イーサネット経由でネットワークに接続し、ネットワーク管理者が独自のVPNに割り当てていた。これによって、遅延やジッタの影響を受けにくい他のトラフィックよりも音声が優先されていた。現在、デスクトップ電話はWi-FiネットワークやUSBを経由してPCに接続されることが多い。そのため、Wi-Fiアクセスポイントを経由しない限り、音声の優先順位付けが課題となる。積極的なテストと音声パフォーマンスの管理が重要だ。
ソフトフォンとデスクトップ電話の選択は、必ずしも二者択一の決定ではない。今日のほとんどの通話プラットフォームは統合をサポートしており、従業員はデスクトップ電話を音声デバイスとして使用しながら、デスクトップアプリを介して通話に応答したり、通話をコントロールしたりできる。
最近のデスクトップ電話の中には携帯電話を充電できるものもあり、Bluetooth経由でヘッドセットや携帯電話とデバイスを接続できるものもある。また、バックグラウンドノイズの除去や音声のテキスト化などの機能も、ますます充実してきている。デスクトップ電話を定期的に更新することで、新しい機能を活用できる。
デスクトップ電話の導入において、企業は割り当てや準備の監督、在庫の管理、音声パフォーマンスの管理を積極的に行う必要がある。ほとんどの電話機ベンダーは、サポート担当者が設定情報に簡単にアクセスできるように設計された管理アプリを提供している。場合によっては、これらのアプリはITサービス管理やユニファイドコミュニケーション管理のためのプラットフォームと統合されている。エンドポイント管理の必要性を無視しないでほしい。
全てのデスクトップ電話システムの導入が、米国におけるKari's LawとRAY BAUM's Actの要件をサポートし、他国の緊急サービス規制にも準拠していることは重要だ。これは、ユーザーがデスクトップ電話から911番にコールした場合、そのコールが適切な緊急コールセンターまたは公共安全応答拠点に、位置情報と共に迅速に送信されることを意味する。また、現場のセキュリティ担当者にも通知されなければならない。この機能をサポートすることは、テレワークで働く従業員にデスクトップ電話を提供する場合に特に重要である。ホームオフィスの机の上に置かれた電話が911番へのダイヤルに使用される可能性を無視することはできない。
デスクトップ電話は今後も長く使われる可能性が高く、その機能は向上し続けるだろう。デスクトップ電話のサポートを成功させるには、積極的な管理、スマートな統合、従業員体験の最適化に集中する必要がある。
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