データ連携ツールとして広く使われている「HULFT」の最新版「HULFT10」に、新たにデータ転送を高速化する機能が追加される。既存ユーザー向けの先行体験版の無償配布も開始した。
2024年下半期にリリースが予定されているセゾンテクノロジーのデータ連携ツール「HULFT10」(Windows版/Linux版)に新たなデータ圧縮・転送技術が導入される。従来のFTPを使ったデータ転送を比較して約8倍もの高速化が期待できるという。
「先行体験版」として既存の「HULFT8」(Windows版とLinux版)でユーザーを対象にユーザーポータルサイト「myHULFT(マイ ハルフト)」から、同機能を無償ダウンロード配布する。
新たに追加されるデータ圧縮・転送機能は、Facebook(現Meta)が開発し、2016年にBSDライセンスのオープンソースソフトウェアとして公開したリアルタイムデータ圧縮転送のアルゴリズム 「Zstandard」だ。IETF RFC 8878として仕様も公開されている。zipやgzip、zlibなどで採用されている圧縮アルゴリズム「Deflate」よりも圧縮の展開速度や効率に優れていることを特長としている。
現在の最新バージョンである「HULFT8」はDeflateのみの対応だが、新バージョン「HULFT10」はDeflateに加えてZstandardにも対応する。セゾンテクノロジーによる速度評価では、HULFT10同士で転送処理を実行した場合、FTPとの比較で約8倍、HULFT8と比較して約1.4倍も転送性能が向上している。
データ活用が進展するにつれ、システム間のデータ転送が長時間化しやすくなっていたが、セゾンテクノロジーは同機能を使うことでこの課題を解消できるとしている。
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