VMware製品のライセンス体系がサブスクリプション型一択になり、コア単位の課金になったことでCPU当たりのコア数が多ければその分利用料にも影響する。使い続けるか他の環境に移行するかが悩ましいところだ。
BroadcomのVMware買収に伴って買い切り型の永続ライセンスが廃止され、コア単位のサブスクリプションラインセンスに変更された。契約期間は1年、3年、5年から選択可能で、利用を続けるには契約満了のたびに更新する必要がある。利用環境によって異なるが、長期的な視点で考えると今までよりも支払う料金が高額になる可能性がある。
契約条件が大きく変更されたことで他製品への移行を検討を検討するユーザーがいる一方で、キーマンズネット編集部とITmedia エンタープライズ編集部が合同で実施した「『VMware製品のライセンス変更』に関するアンケート」(調査期間:2024年6月26日〜7月6日、回答数:425件)によると、「従来通りVMware製品を使い続ける」とした回答者も一定数存在する。
連載第2回では「移行派」のコメントを紹介したが、第3回となる本稿ではライセンス体系が変更されても「使い続ける」とした回答者および勤務先の考えを掘り下げて紹介する。
「勤務先では今後どのような対応を予定しているか」との問いに対して「従来通りVMware製品を使い続ける」とした回答者に具体的な対応を尋ね、その結果を次のようにまとめた。使い続けるとした回答者の勤務先では、具体的にどのような対応方針を考えているのだろうか。
使い続ける理由として最も多く寄せられたのが、即決はせずにベンダーの動向を見て今後の対応を判断するとした声だ。
具体的には「6年ごとに行う基幹システムのリプレースに合わせて検討する予定」「今後大幅に使用料がアップする可能性も考えて、対策を検討しておく。それまでは、現環境を引き続き利用する」「費用対効果を見て(VMware製品を)使い続けるか否かを決める」「ライセンスの変更に伴い(コストの)負担は増えるがすぐに移行できるものではなく、今は継続して利用する」といったコメントだ。
現在利用しているVMware製品は保守サービスの契約満了までは利用できるため、その間を検討期間として捉え、今後の方針を決定する考えだ。
次に目立ったのが「VMware製品をオンプレミスで使い続ける」「オンプレミスで利用できる範囲内で利用を続ける」といった、コスト増を懸念してオンプレミスでVMware製品を継続して利用するといった声だ。これも同じく今すぐには判断せず、差し当たりの対応として現環境を使い続けるという考えだろう。
中には「『VMware vSphere ESXi』の利用を縮小し、『Proxmox VE』や『oVirt』への移行を進めている」といったように、VMware製品の利用は最小限にとどめようとする企業もある。継続して利用するシステムとそうでないシステムを切り分け、部分的に利用するという判断だ。
その他、「サーバ切り替えの際に新ライセンスに移行した」「(他製品に)乗り換える考えがないため、高いライセンス料支払って使い続ける」といった新しいライセンス体系を受け入れる声もあった。
前述した通り現在の保守契約が満了を迎えるまでは現環境を利用できるため、直ちに新ライセンスもしくは他製品への移行を判断する必要はない。その間にコストやシステム戦略を勘案して、次の出方を考えるのが現実解かもしれない。
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