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7月はTeamsの使い勝手が大幅に向上 8つのアップデートを一挙紹介

2024年7月の「Microsoft 365」のアップデートは、Teamsでカスタム絵文字が登録できるようになるなどUX向上に着目したものが目立っていた。

» 2024年08月09日 08時00分 公開
[平 行男合同会社スクライブ]

 「Microsoft 365」では、毎月のように新機能の追加や改善がある。2024年7月に行われたMicrosoft 365のアップデートについて、内田洋行の太田浩史氏(エンタープライズエンジニアリング事業部)がウェビナーで紹介した。

 7月のアップデートでは10を超えるアップデートがあった。「Microsoft Forms」(以下、Forms)と「Microsoft Excel」を同期させて回答を分析する機能などは、Formsユーザーの生産性向上に役立ちそうだ。

Teamsの使い勝手が大幅に向上 8つのアップデートを一挙紹介

 まずはMicrosoft Teams(以下、Teams)の8つのアップデートを紹介する。

Teams(1) 会議レコーディングの保存場所を変更

 会議のレコーディングファイルが開催者の「OneDrive for Business」に保存されるようになった。参加者の誰がレコーディングを開始しても、Teamsのカレンダーなどを基に会議の予定を作成した人のOneDrive for Businessが保存先になる。会議の開催者とレコーディングファイルの関係が明確になり管理がしやすくなった。ただし、チャネル会議の場合は、これまで通りチャネルの「ファイル」に保存される。

会議レコーディングの保存場所が変更(出典:内田洋行の投影資料)

Teams(2) 右クリックメニューにリアクションが統合

 投稿を右クリックした際のメニューの一番上にリアクションが追加された。以前は上部メニューからリアクションのメニューを開き、リアクションを選択する必要があったが、少ないマウス動作で素早くリアクションができるようになった。

右クリックメニューにリアクションが統合(出典:内田洋行の投影資料)

Teams(3) カスタム絵文字の追加

 自社独自の絵文字を登録する「カスタム絵文字」機能が追加された。カスタム絵文字の登録・利用は誰もができるようにデフォルトで設定されている。ただし、登録した絵文字を削除したい場合は管理センターからの操作となるため、社内の管理者に依頼する必要がある。社内で一定の運用ルールを定めることが推奨されるが、面白い機能なので有効な使い方を検討するとよいのではないだろうか。

カスタム絵文字の追加(出典:内田洋行の投影資料)

Teams(4) チャネルのスレッドごとに通知をオン・オフ

 スレッド(会話)の通知のオン、オフを切り替えられるようになった。チャネルのスレッドに返信すると、そのスレッドに対する通知がオンに設定され、誰かがそのスレッドに返信するたびに通知が届くようになる。通知が不要な場合はオフにすることもできる。なお、通知がオフの場合でも個人宛てのメンションは届くので、必ず伝えたい相手がいる場合はメンションを使用したい。

チャネルのスレッドごとに通知をオン・オフ(出典:内田洋行の投影資料)

Teams(5) チャネルカードの表示

 チャネルの概要を確認できるチャネルカードが表示されるようになった。チャネルカードは、チャネルのアイコンにマウスを乗せることで表示される。概要や設定の変更、チャネルへのリンクの取得などができる。

チャネルカードの表示(出典:内田洋行の投影資料)

Teams(6) モバイルからSharePointのファイルを添付

 モバイルアプリからチャットやチャネルにメッセージを投稿する際、「Microsoft SharePoint」(以下、SharePoint)に保存されたファイルを添付できるようになった。添付メニューを開くと「ファイルの場所」から「SharePoint」を選択できる。以前はOneDriveおよびモバイル端末に保存されているファイルのみの選択だった。デスクトップ版には以前から搭載されていた機能だがモバイルアプリにも対応した。

モバイルからSharePointのファイルを添付(出典:内田洋行の投影資料)

Teams(7) Outlookから送られた出席依頼の添付ファイルを表示

 「Microsoft Outlook」(以下、Outlook)で作成した会議出席依頼の添付ファイルが、Teamsでも表示できるようになった。以前は添付ファイルをTeamsアプリから参照することはできなかったため見落としてしまうこともあったが、このアップデートにより防げるのではないだろうか。

Outlookから送られた出席依頼の添付ファイル(出典:内田洋行の投影資料)

Teams(8) 新しいTeamsアプリアイコンから「New」が消えた

 7月1日以降の旧Teamsアプリのサポート終了に伴い、新しいTeamsアプリのアイコンから「New」バッチの表示が消え、新しいTeamsに完全に切り替えられた。旧Teamsアプリユーザーには、画面にサポート終了のメッセージが表示される。ただし、VDI(仮想化デスクトップ)環境や政府クラウドを利用するユーザーは引き続き旧Teamsを利用できる。

新しいTeamsアプリアイコンからNewが消える(出典:内田洋行の投影資料)

SharePoint、Stream、Formsのアップデート

SharePoint、「Microsoft Stream」(以下、Stream)、Formsでも機能改善や追加があった。

SharePoint バナーWebパーツが新登場

 ページ最上部に表示されるタイトル領域が新しくバナーWebパーツになった。新しいセクションを追加してそれを移動させられる他、複数のタイトル領域を置くなど、さまざまなレイアウトを作れる。Webパーツになったことで、これまでできなかった、タイトル領域が存在しないレイアウトも可能になった。

バナーWebパーツが新登場(出典:内田洋行の投影資料)

Stream インタラクティブ機能の分析

 インタラクティブ(対話)機能を使うと動画に吹き出しやフォームを表示できる。今回のアップデートでは、このインタラクティブ機能の利用状況を統計情報として見られるようになった。分析メニューから「一意な動画視聴者数」「表示されたインタラクティブ機能数」「エンゲージメント発生数」「視聴者1人あたりの平均インタラクション数」「平均アテンション時間」などを集計できる。

インタラクティブ機能の分析(出典:内田洋行の投影資料)

Forms(1) テキスト入力の入力値の制限

 Formsでは自由に入力できるテキスト入力欄に制限を設けられるようになった。用途に合わせて「数値である」「整数である」「指定した値以上である」「指定した値の範囲内である」「指定した文字を含むテキストである」「指定した長さ以下のテキストである」など、さまざまな制限を設けることで目的とする回答が得やすくなる。

テキスト入力の入力値の制限(出典:内田洋行の投影資料)

Forms(2) Formsの回答をExcelで開く機能が一般提供開始

 Formsで収集した回答をExcelで確認できる機能が、正式版として一般公開された。以前はファイルをダウンロードする操作が必要だったが、今回のアップデートで回答がOneDriveに保存されているExcelファイルに同期されるようになった。追加で新しい回答がされた場合にはリアルタイムでExcelファイルに反映される。この機能は一般提供に合わせてグループで共有されたフォームでも利用できる。

Formsの回答をExcelで開く機能が一般提供開始(出典:内田洋行の投影資料)

Forms(3) ブラウザ版のExcelからフォームを作成

 ブラウザ版ExcelにFormsのフォームを貼り付け、回答を集計できるようになった。OneDrive、SharePoint、TeamsなどにあるExcelファイルにフォームを追加できる。Excelファイルなので、ピボットテーブルで回答を集計したり、回答からグラフを作成したりできる。関連付けられたフォームに送られた回答データは、自動的にExcelファイルのシートに追加される。

ブラウザ版Excelからフォームを作成(出典:内田洋行の投影資料)

今後注目したい新機能

 「Microsoft 365」のアップデートは今後も続々と予定されている。2024年8月以降に実施が予定されている新機能を2つ紹介する。

Teams 「一般」チャネルの名称が変更可能に

 チーム作成時に自動的に生成される「一般」チャネルに自由な名前を付けられるようになる。「一般」という名前からは利用方法がイメージしづらいため、チャネルが利用されにくいことから名称変更できるようにするものだ。

「一般」チャネルの名前を変更可能に(出典:内田洋行の投影資料)

Outlook 新しいOutlookの一般提供開始

 2024年8月1日から新しいOutlook for Windowsの一般提供が開始される。新しいOutlookは、ブラウザ版Outlookの使い勝手を踏襲している。なお、これまでのOutlookは「Outlook Classic」となり継続利用できる。

新しいOutlookの一般提供開始(出典:内田洋行の投影資料)

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