ソフトウェア企業のエグゼクティブは「メインフレーム分野に携わる大半の人は、これが玩具のようなワークロードではないことを認識している」と述べた。何が起きているのだろうか。
ソフトウェア企業であるRocket Softwareが調査企業のForresterに委託して実施した調査によると(注1)、「メインフレームアプリケーションのリファクタリングは、一般的に初回で失敗することが多い」という。同調査は、300人以上のIT専門家を対象としている。
メインフレームプログラムの書き換えプロジェクトの10件に9件が初回で失敗する。回答者の半数以上は「度重なる失敗により、DXの取り組みが停滞している」と述べた。調査によると、失敗の主な理由として、「メインフレームに関するスキル不足」や「複雑な統合戦略」「不十分なツール」が挙げられている(注2)。
Rocket Softwareのインフラモダナイゼーション事業部に所属するフィル・バックルー氏(プレジデント)は、「CIO Dive」に対して次のように語った。
「メインフレーム分野に携わる大半の人は、これが玩具のようなワークロードではないと認識している。これは全てのビジネスの中核を担っている」
クラウド資産が拡大する中で、多くの企業はメインフレームに存在するコアアプリケーションを必要に迫られてそのまま稼働させたり、意図してそのまま稼働させたりしてきた。しかし、最終的な目標は、メインフレームとクラウドが共存するシームレスなハイブリッドエコシステムの全体においてITを調和させることだ。
調査企業であるVanson BourneがITとプラットフォームエンジニアリングにおける意思決定者1500人を対象に実施した調査によると(注3)、企業の大多数はアプリケーションとデータの管理のためにハイブリッドクラウドを支持している。また、約半数は「ハイブリッドクラウドはCIO(最高情報責任者)の優先事項だ」と回答している。
「ハイブリッドクラウドの視点から見ても、メインフレームはコアビジネストランザクションの標準だ。メインフレームによって飛行機の運航や列車の稼働、クレジットカードによる決済が維持されている」(バックルー氏)
企業は、クラウド費用の急激な増加を避けてモダナイゼーションを進める賢明な戦略として、ハイブリッドの理想に投資し続けている(注4)。コストを重視するCIOは、それぞれのアプリケーションを最も効率的な環境で稼働させたいと考えている。
Forresterの調査によると、組織の56%は「クラウド導入との相互運用性を向上させるためにメインフレームアプリケーションをモダナイズしたい」と考えている。メインフレームシステムからアプリケーションを削除したいと考える回答者はわずか4分の1強にすぎなかった。
バックルー氏によると、全面的な書き換えはリスクが高いという。ミッションクリティカルなアプリケーションに最適な戦略は、段階的なアップグレードを活用して潜在的な混乱を最小限に抑えることだ。
「多くの場合、ゼロからアプリケーションを書き直すとうまくいかない。それはコストの莫大な超過につながる可能性があり、数年かかるケースもある。長期にわたる書き換えプロジェクトに着手すると、悪いことが起こり、プロジェクトは中止される」(バックルー氏)
出典:Most mainframe application rewrites fail the first time(CIO Dive)
注1:IT Modernization Without Disruption(Rocket Software)
注2:As mainframes turn 60, skill gaps threaten the enterprise workhorse(CIO Dive)
注3:Hybrid makes a comeback as cloud strategies mature(CIO Dive)
注4:As IT costs mount, CIOs want hybrid cloud with better connectivity(CIO Dive)
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