テックタッチは、AIを活用した顧客データやVOC分析の実態調査結果を発表した。チャットや応対ログなど定性データの活用は広がる一方、前処理や構造化、運用設計が壁となり、分析結果を十分に活用できている企業は約2割にとどまった。
テックタッチは、AIを活用した顧客データやVOC(Voice of Customer、いわゆる「顧客の声」)分析の実態調査結果を発表した。それによると、AIを活用した顧客データやVOC分析に関わる企業では、顧客理解やCX(顧客体験)改善への活用が進みつつあることが分かった。
調査結果によると、AI導入、活用の目的で最も多いのは「業務の効率化、工数削減」で39.2%だった。次いで「CXの課題発見、改善」が35.4%、「属人化の解消」が30.1%で続いた。AI活用の狙いは、効率化だけでなく、顧客対応やサービス改善にも広がっていることがうかがえる。
実際にAIで分析または活用しているデータでは、「チャット、メール、問い合わせフォームの履歴」が41.0%で最多となった。これに「顧客対応データ(コールセンターやカスタマーサポートの応対ログ、FAQ、ナレッジ)」が36.5%、「顧客アンケート・NPSの回答内容」が35.7%で続いた。
一方、AI活用で特に工数がかかる工程については「定性データの構造化、集計」が最も多く、35.1%だった。「深いインサイトの抽出」が31.5%、「バラバラなデータの整理、統合」が27.9%で続いており、AI導入後の分析以前に、データ整備や前処理が大きな負担になっている実態が見える。課題としては「非構造化データの扱い」が28.4%で最多となり、専門人材の不足やデータ品質の低さも上位に挙がった。
AIによる顧客データやVOC分析結果について、「十分に活用できている」と答えた企業は21.4%だった。「ある程度活用できている」は55.1%で、一定の活用は進んでいるものの、十分に使いこなせている企業は限られるようだ。活用できていない理由では、「目的やKPIが曖昧で、どう使うべきか判断が難しい」が30.9%で最も多く、「現場での活用が定着しない」が27.5%、「既存の業務フローに組み込めない」が24.2%で続いた。
これに対し、活用できている企業では、「目的やKPIが明確で、活用シナリオが定義されている」が37.6%、「データ整備や前処理が一定自動化/標準化されている」が37.4%、「業務フローに組み込まれている」が30.4%だった。調査結果からは、AI分析を実務に結び付けるにはツール導入だけでなく、データ品質の確保や前処理の標準化、現場業務に落とし込む運用設計が重要だということが分かる。
なお、本調査は、AIを活用した顧客データおよびVOC活用に携わる担当者・責任者を対象に実施し、1003人から有効回答を得た。対象業種は小売、消費財、食品、外食、金融、保険、エンタメ、ゲーム、サービス業界で、調査期間は2026年3月25日〜3月26日だった。
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