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三十三銀行、「営業支援AI」で顧客対応記録を1件当たり最大30分削減へ

三十三銀行は営業支援AI「bellSalesAI」を採用した。面談記録作成時間を営業店で1件20〜60分、本部で60分超削減し、記録精度改善や顧客対応強化につなげる。

» 2026年06月02日 06時00分 公開
[後藤大地キーマンズネット]

 三十三銀行は、営業現場における面談記録作成の負担増大および顧客対応品質のばらつきを解消するため、ベルフェイスの営業支援AI「bellSalesAI」を導入した。同行は3製品による比較検証(PoC)を実施し、その結果、録音性能や要約精度、操作性、支援体制などが高く評価されたことから、正式採用を決定した。

1件当たり最大30分以上、帰店後の面談記録が行員の負担に

 三十三銀行は三重県および愛知県を主要な営業基盤とする地方銀行で、地域企業や個人顧客に幅広い金融サービスを提供している。営業活動の拡大に伴い、面談記録作成業務が現場の大きな負担となっていた。金融営業では長時間の対話が日常的に発生し、行員は顧客との会話と並行してメモを取る必要があったほか、帰店後には手書きメモや記憶を基に記録を作成する必要があり、業務効率の低下が課題となっていた。

 また、1件当たり最大30分以上を要するケースもあり、記録作業への意識が対話への集中を妨げることで、重要情報の聞き逃しリスクも指摘されていた。加えて、記録の内容や粒度に職員間で差が生じ、組織としての情報の均質化も課題となっていた。

 こうした状況を踏まえ、同行は営業店の一部で3カ月間にわたりPoCを実施した。録音感度、文字起こし精度、要約速度、操作性、利用頻度、サポート対応などを定量・定性の両面から検証した結果、bellSalesAIが総合的に高い評価を獲得した。

 特に要約機能では、離れた位置からの音声でも高精度に収録し、短時間で文字起こしから要約まで完了できる点が評価されたほか、必要情報の抽出精度の高さも評価につながった。

 現場からは、スマートフォンアプリの操作性の分かりやすさや高い利用定着性が評価された。さらに、導入マニュアルの整備による準備負担の軽減や、迅速なサポート対応など、運用面の支援体制も導入決定の後押しとなった。

 導入効果として、営業店では面談記録作成時間が1件当たり平均10〜30分短縮され、従来比で30〜60%の削減が確認された。本部でも30〜60分の削減効果が見られ、一部では60分以上短縮されたケースもあった。これにより、削減された時間を顧客対応や提案準備に振り向けることが可能となった。

 また、行員からは「記録作業をAIに任せることで顧客との対話に集中できる」「面談内容の振り返りが容易になる」といった声も寄せられ、顧客対応品質の向上にも寄与していると評価された。

 当初は個人向け業務での活用が想定されていたが、実際には法人営業や本部業務、会議議事録作成などにも利用が広がり、組織全体での活用が進んでいる。

 三十三銀行DX戦略部の山本浩詞氏は、対面営業が重要な顧客理解の機会である一方、長時間面談では記録の完全性に限界があり、担当者の経験差によって情報把握の精度にも差が生じると指摘。その上で、bellSalesAIの活用により、行員が面談に集中しながら正確な要約を取得でき、提案準備時間の拡大につながるとの認識を示した。

 同行は今後、営業店の渉外担当者全体への展開を進めるとともに、ベルフェイスの支援を受けながら利用定着を図る方針だ。第3次中期経営計画に掲げる「DX推進による営業スタイル変革」の一環として、顧客接点のデジタル化や行内情報共有の高度化を進め、顧客ごとに最適化された提案体制の構築を目指すとしている。bellSalesAIによる面談データの活用は、将来的に次回提案の最適化などへの展開も期待されている。

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