大企業の生成AI研修調査結果においては、理解度把握や業務活用、受講後支援に課題が残り、社内事例共有や専門研修、実践型研修への関心が高い。実態はどのようにデータに表れているのか。
大企業で自社の生成AI研修を実施している責任者・担当者のうち、3割超が成果に不満を持っている──イー・コミュニケーションズが2026年6月24日に発表した調査結果でそんな実態が浮き彫りになった。
現在実施中の生成AI研修の形式は、「eラーニング(オンライン動画など)」が67.3%で最多だった。続いて「集合型研修(外部講師)」が46.4%、「集合型研修(社内講師)」が40.0%、「自己学習(書籍・記事等)の推奨」が37.3%、「OJT(現場での実地指導)」が31.8%となった。
自社の生成AI研修が当初期待した水準の成果を発揮しているかとの設問では「ややそう思う」が38.2%、「非常にそう思う」が26.4%で、肯定的回答は計64.6%だった。反面、「あまりそう思わない」が29.1%、「全くそう思わない」が4.5%で、否定的回答は計33.6%に達した。
成果不足を感じる担当者に理由を尋ねたところ、「コンテンツが業務の実態に合っていないから」が48.6%、「受講者によって理解度・習得度にばらつきがあるから」が48.6%で並んだ。そこに、「研修の目的・ゴールが曖昧だから」が37.8%、「業務での実践機会が少ないから」が35.1%で続いた。自由回答では利用可能な生成AIが限定され活用範囲が狭いとの指摘や、職種ごとの活用場面の違いを反映していない教育内容への不満、目的設定の不明確さ、経営陣の理解不足などが挙がった。
受講者の理解・習得状況を十分に把握できているかとの質問においては「あまりそう思わない」が36.4%、「全くそう思わない」が5.5%で、否定的回答は計41.9%となった。理解度の把握に難しさを抱える担当者が4割を超えた。研修成果が業務に活用されているかとの設問では「あまりそう思わない」が34.5%、「全くそう思わない」が2.7%で、否定的回答は計37.2%だった。
業務活用につながらない理由としては、「受講後に業務で実践する機会がないから」が48.8%、「受講率・完了率だけで評価されているから」が48.8%で同率首位となった。「受講内容を確認する仕組み(テスト等)がないから」が41.5%、「受講者が業務との結びつきを見出せていないから」が34.1%で続いた。
現在の生成AI人材育成手法では「AI活用の社内事例の共有・横展開」が52.7%でトップだった。「特定部署・職層向けの専門研修」が45.5%、「全社員向けの基礎研修・教育」が38.2%、「業務に直結した実践型ワークショップ」が38.2%となった。
今後導入または強化したい育成手法でも、「AI活用の社内事例の共有・横展開」が50.0%で首位だった。「特定部署・職層向けの専門研修」と「業務に直結した実践型ワークショップ」が各44.5%、「受講者の習熟度を可視化・測定する仕組み」が37.3%、「AI活用人材の社内認定・表彰制度」が36.4%で続いた。
受講後の継続学習や実践支援については、「あまりそう思わない」が34.5%、「全くそう思わない」が6.4%で、否定的回答は計40.9%となった。
調査結果から、生成AI研修は大企業で広く導入されているものの、理解度測定や成果確認、業務適用の促進、受講後支援の面で改善余地が残る状況が浮き彫りとなった。担当者の関心は、社内事例の展開や部署・職層別の専門研修、実践型学習の拡充に向かっている。
なお、今回の調査は、従業員1000人以上の大企業で自社の生成AI研修を実施する責任者・担当者110人を対象としている。
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