生成AIの活用状況は、担当する業務や職種によって大きく異なる。職種別の生成AI利用実態を把握するためにラグザスが実施した調査によると、エンジニア・情シスの生成AI利用率は職種別で1位ではなかった。では、その職種がそれらを上回ったのか。
生成AIの活用は、情報収集や資料作成などあらゆる業務で普及している。一方で、実際の利用状況や活用方法は、担当する業務や職種によって大きく異なるのが現状だ。その差異を把握することは、企業の生成AI定着を進める上で重要な課題となっている。
そのような実態を背景にラグザスは、東京都と大阪府の20〜59歳の男女3000人を対象とした調査を実施した。その内、人事や採用、エンジニア、情報システム、マーケティングなど比較対象となる10職種、計2319人か得られたデータを基に、職種別の利用率や活用されている主な業務が分析された。
職種別に生成AI利用率を尋ねた設問において、「毎日利用している」と「週に数回利用している」を合わせた利用率は、「人事・採用」と「マーケティング・広報」が各65.1%で首位だった。「企画・商品企画・事業企画」は59.9%、「エンジニア・情報システム」は57.4%と続いた。最下位は「カスタマーサポート・コールセンター」の27.4%で、首位との差は約2.4倍となった。「総務・法務」は46.6%、「経理・財務」は40.8%、「営業」は36.6%、「デザイナー・クリエイター」は36.4%、「一般事務・営業事務」は34.4%だった。
利用経験者1623人を対象に効果の実感を尋ねた設問では、「作業時間を短縮できた」との回答は、「総務・法務」が57.7%で首位となった。「経理・財務」は56.6%、「エンジニア・情報システム」は53.1%、「人事・採用」は52.4%で、4職種が半数を超えた。一方、「特に成果を感じていない」との回答は、「一般事務・営業事務」が24.0%で最多だった。
主な用途については、情報収集・リサーチが幅広い職種で高い比率を占め、中でも「カスタマーサポート・コールセンター」は48.6%、「企画・商品企画・事業企画」は45.5%、「エンジニア・情報システム」は44.7%、「総務・法務」は40.4%と高い数値になった。
職種固有の用途も確認された。「総務・法務」では「文書・記事・コピーライティング」が47.1%で、10職種全体の28.3%を上回った。「デザイナー・クリエイター」は「アイデア出し・企画立案」が41.9%で、全体の25.3%より高かった。「エンジニア・情報システム」は「プログラミング・コード」作成が27.5%で、全体の11.6%との差が目立った。「カスタマーサポート・コールセンター」では「FAQ・チャットボット作成」が13.5%、「マーケティング・広報」では「デザイン制作」が14.3%、「営業」では「営業資料・提案内容」の作成が13.6%だった。
ラグザスは、生成AIの利用頻度や効果、用途には職種差があり、単純な導入だけでは同じ成果を得にくいとした。情報収集やメール作成から議事録、企画立案、プログラミング・コード作成まで利用領域は広く、職種別の課題と業務特性に沿った活用設計や、従業員が継続利用しやすい環境整備が必要との見方を示した。
なお、今回の調査は、東京都・大阪府の20〜59歳の男女3000人(内、職種別分析対象者2319人)を対象に、インターネットで実施された。調査期間は2026年7月21〜22日。
生成AI検索の誤情報から企業ブランドを保護 製品や採用への影響を防ぐサービス登場
会議で誰がサボってるか丸見え? 会話の発揮スキルを可視化するツールが登場
業務改善、中小企業の80.5%が成果なし 成功企業に共通する法則とは?
西尾市役所、紙やExcel帳票をそのまま電子化 職員の負担軽減へCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。